セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

413 胆管細胞癌における系統的リンパ節郭清の是非

演者 和田幸之(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科)
共同演者 高見裕子(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 龍知記(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 河野修三(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 才津秀樹(国立病院機構九州医療センター肝臓病センター肝胆膵外科), 村中光(国立病院機構九州医療センター臨床研究部)
抄録 【目的】胆管細胞癌に対してリンパ節郭清が必要か否かについて検討した.【対象と方法】1998年4月~2006年度末までに当科で施行した胆管細胞癌切除16例を対象に臨床所見t手術術式および術後病理診断と術後リンパ節転移を含む再発形式を明らかにすることによってリンパ節郭清の意義を検討した.【結果】16例の平均年令66.4才腫瘍径平均40.Omm(17.7・一68mm)腫瘍個数はすべて単発であった手術術式は肝切除15例(区域切除3例葉切除以上12例)マイクロ波凝固壊死療法1例.16例中11例は肝切除のみ施行残りの6例は術前画像診断で転移が疑われたリンパ節を摘出し術中迅速に供したがリンパ節転移陽性は3例のみで2例は転移陰性であった.そのため系統的にリンパ節郭清を行った症例は16例中3例のみであった術後再発は16例中9例に認め再発形式はリンパ節再発5例(リンパ節郭清施行2例含む)肝転移4例腹膜播種1例骨転移1例(重複あり)であった.郭清例3例中1例は術後11ヶ月経過するも現在再発を認めていない.なお再発をきたしやすい因子を検討したところ腫瘍径胆管拡張の有無腫瘍の存在区域で差は認めなかったが腫瘍が審判の門脈膀部に近接する症例は16例中7例に認め6例が再発(うち4例はリンパ節再発を伴う)をきたしていた.死因は最終的に肝転移骨転移など血行性転移によるものが5例リンパ節転移再発のみによる死亡例は認めなかった.【結語】術後リンパ節再発をきたした症例は5例認めたがリンパ節再発は死因に関与しておらず郭清を行う意義は少ないと思われる.しかしながらリンパ節転移陽性症例に関しては郭清により1年近く無再発生存をきたす症例も認められており今後リンパ節陽性例に対する郭清が予後延長をもたらすのか検討を要すると思われる
索引用語