セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

415 85歳以上高齢者の悪性胆管狭窄症例の内視鏡的胆汁ドレナージ術

演者 村上晶彦(岩手県立中央病院内視鏡科)
共同演者 谷合久憲(岩手県立中央病院内視鏡科), 藤原隆雄(岩手県立中央病院消化器内科), 三浦達也(岩手県立中央病院内視鏡科), 吉田雅義(岩手県立中央病院消化器内科), 上野孝治(岩手県立中央病院消化器内科), 池端敦(岩手県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】高齢者では個人の生活機能障害を総合的機能評価が大切であり合併症も多く抗凝固薬内服症例も多い85歳以上の高齢者の悪性胆管狭窄例では胆管炎を併発すると血管内血液凝固症候群から多臓器不全を併発すると致死的で緊急で可及的な胆汁ドレナージ術が必要である【方法】当科の過去3年間に経験した85歳以上の悪性胆管狭窄症例対する内視鏡的胆汁ドレナージ術は20例であり.胆嚢癌5例胆管癌8例(肝心3例 肝門脇5例)乳頭下膳2例.膵癌5例であった.初回治療は中切開の内視鏡的乳頭切開術(EST)を基本とし抗凝固薬内服症例ではnonESTで行っている.生存期間と在宅復帰可能か否かを検討した.【成績】平均生存期間は胆嚢癌3.2カ月肝外胆管癌19カ月肝門口42カ月乳頭部20カ月膵fi 42ヵ月であった.ステントの種類と施行時期についての検討では最初のステントはチューブスチン5エ7例で後に金属ステント(expandable metalHc stent:EMS)挿入例は胆嚢癌1例胆管癌3例(肝外3例)乳頭部癌1例膵癌1例の計7例であった.初回からEMSは胆嚢癌の3例であった.チューブステントは8Frか72Frを左右肝内胆管まで挿入する複数本ドレナージとした施行時期では初診時に黄疸を認めない6例では診断時期(発黄前)3例黄疸発現時期3例であったが両者の生存期間に育意差はなかった.治療による偶発症は絶食期間5日以内の中等度膵炎が2例に認められたが出血や穿孔はなかった.在宅復帰例は20例中17例(85%)であった.【結論】85歳以上の.合併症の多い高齢者悪性胆管狭窄症例はハイリスク患者でありいかに偶発症を少なくしさらに初回の内視鏡的胆汁ドレナージ術は偶発症を起こさないように合併症の予防と同時に合併症に備えて器具の操作を慎重に行いかつ手技には熟練し早期の在宅復帰をめざす事が肝要と考えた.
索引用語