セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

421 原発性副甲状腺機能亢進症が原因と考えられる急性膵炎の一例

演者 五十嵐由希(東京女子医科大学東医療センター内科)
共同演者 川崎孝広(東京女子医科大学東医療センター内科), 許山彩(東京女子医科大学東医療センター内科), 木村綾子(東京女子医科大学東医療センター内科), 大塚洋子(東京女子医科大学東医療センター内科), 伊賀大二郎(東京女子医科大学東医療センター内科), 遠藤仁(東京女子医科大学東医療センター内科), 齋藤壽仁(東京女子医科大学東医療センター内科), 富松昌彦(東京女子医科大学東医療センター内科), 大塚邦明(東京女子医科大学東医療センター内科)
抄録 急性膵炎は40歳以降に好発し飲酒や胆石によるものが50%以上を占めている.稀な原因としては原発性副甲状腺機能充進症が挙げられるが実際の報告例は非常に少ない.我々は原発性副甲状腺機能充溢症による高カルシウム血症が原因と考えられる急性膵炎を経験し副甲状腺腺腫摘除術により速やかに膵炎の改善を認めたため報告する.【症例】28歳男性【主訴】嘔吐上腹部痛【飲酒歴1なし【既往歴】21歳尿路結石に対し体外衝撃波結石破砕術(ESWL)施行【家族歴】特記事項なし【経過1嘔吐・上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した.血清アミラーゼが5781U/1と高値腹部造影CTで膵腫大・膵および十二指腸周囲の脂肪織濃度上昇を認め(CT glade皿)急性膵炎と診断当科入院した.腹部CT・超音波検査上胆石はなく右尿管結石(径11皿m)を認めた.入院時血清カルシウム12.2mg/dl血清リン1.8mg/dlと高カルシウム血症低リン血症を認めた. Intact PTHが718pg/mlと離頚部CTで右甲状腺下葉に接して20×5㎜の結節耀め副甲状腺シンチグラフィで右副甲状腺に集積を認めた.原発性副甲状腺機能面割症による高カルシウム血症それに伴う急性膵炎と診断した.絶食蛋白分解酵素阻害剤投与で膵炎症状は一旦改善したが経口摂取の開始により膵炎が再燃した.再度絶食とし蛋白分解酵素阻害薬投与を行っていたが膵炎は改善せず血清カルシウム値は12~14mg/dlと高値が持続輸液・ビスフォスフォネート・カルシトニン投与を行ったが反応に乏しかった.副甲状腺腫に対する外科的治療目的に絶食のまま転院右下副甲状腺腺腫摘除術を施行された術後血清カルシウム値は8~9mg/dlと正常化し当院へ転院食事を再開膵炎の再燃を認めず右尿路結石に対しESWL施行後退院した.
索引用語