セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 422 膵癌と自己免疫性膵炎の鑑別に苦慮した3症例の検討 |
演者 | 松尾享(九州大学病態制御内科) |
共同演者 | 中村太一(九州大学病態制御内科), 安田幹彦(九州大学病態制御内科), 加来豊馬(九州大学病態制御内科), 大野隆真(九州大学病態制御内科), 河邉顕(九州大学病態制御内科), 五十嵐久人(九州大学病態制御内科), 伊藤鉄英(九州大学病態制御内科), 山口幸二(九州大学臨床・腫瘍外科), 田中雅夫(九州大学臨床・腫瘍外科), 後藤綾子(九州大学形態機能病理), 八尾隆史(九州大学形態機能病理), 古賀考臣(九州大学病理病態), 高柳涼一(九州大学病態制御内科) |
抄録 | [はじめに]自己免疫性膵炎(AIP)は2006年に診断基準が改訂され症例も蓄積されてきているが膵癌との鑑別に苦慮する例も未だ存在する.今回我々は膵癌とAIPとの鑑別に苦慮した3症例を経験したので報告する.[症例1]72歳男性.前医の腹部CTにて膵体部に境界明瞭な3cmの腫瘍を指摘ERPで主膵管の途絶を認めた.悪性を否定できず開腹術試みるも横行結腸間膜及び門脈に浸潤ありとみなされ術中生検後終了悪性所見は認めなかった.当院紹介後施行のERPでは膵管狭細像を認めt IgG4抗体にて染色した前医の生検像と合わせAIPと診断した.膵外病変も認めPSL治療開始したところ膵は著明な萎縮を認め龍燈病変も改善した.[症例2]65歳男性.船医で肝障害膵頭部腫瘍を指摘され当院外科に紹介入院.ERCPでは副尺胆管の狭窄と主膵管途絶を認めたE血中IgG4高値腎孟周囲の軟部組織腫瘤よりAIPと考えられるも膵癌を否定できず開腹下生検試行しAIPと診断された.[症例3]56歳男性.本年3月腹痛にて前医入院CTで膵尾部主膵管の拡張と腹腔動脈・上腸間膜動脈周囲に軟部組織腫瘤を認めた.ERPで体尾部移行部主膵管の狭細像を呈しEUSでは同部に一致して3cmの低エコー一i9瘍を認めた. EUS/FNAではリンパ球優位で悪性細胞は認められなかった.AIPと診断後PSL治療開始するも自己中止された.当院紹介後に開腹下生検を試行したところ膵尾部腫瘤からは慢性膵炎の所見のみ得られたが8番リンパ節および膵背側部の腫瘤からは腺癌が検出され膵癌と診断された.[結論]AIPの診断は時に困難な場合があり膵外病変の探索および組織診も含めて慎重に行われるべきである. |
索引用語 |