セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

423 嚢胞胃吻合術後の嚢胞内感染に経鼻経胃嚢胞ドレナージが奏効した膵嚢胞の1例

演者 井上真(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野)
共同演者 若井俊文(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 白井良夫(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 黒崎亮(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 永橋昌幸(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 坂田純(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 金子和弘(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 畠山勝義(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野), 塩路和彦(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野), 成澤林太郎(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野)
抄録 【背景】急性膵炎後の仮性膵嚢胞の治療に関しては治療の適応治療方法に関しては様々な意見があり個々の症例ごとに適切な治療を選択する必要がある.今回急性膵炎後の巨大仮性膵嚢胞に対し嚢胞胃吻合術を施行しその後の嚢胞内感染に対し内視鏡的ドレナージが奏効した症例を経験したので報告する.【症例】41歳男性.検診で上部消化管内視鏡検査を施行したところ急性重症膵炎を発症した.内科的治療により軽快したが径20cmの巨大膵仮性嚢胞をみとめた.経過観察していたが腹痛が続いたため膵炎発症から1年後に開腹下嚢胞胃吻合術を施行した.術後初期の経過は良好であったが嚢胞胃吻合部狭窄に伴うドレナージ不良により嚢胞内感染を合併した.保存的には軽快せず術後44日目に内視鏡下に経鼻的転脱嚢胞ドレナージチューブを留置した.持続ドレナージにて嚢胞は消失し症状も軽快した【考察】嚢胞胃吻合術後の合併症として嚢胞内感染がある.その予防には吻合口を胃小氏側にして食物の通り道を避けること充分に大きな吻合口をつくることなどがあげられる.嚢胞内感染を合併した場合は内容物のドレナージが重要であり本症例ではドレナージチューブを内視鏡下に経鼻で挿入しドレナージを施行し奏効した.【結論】膵仮性嚢胞に対する嚢胞胃吻合術後の嚢胞内感染に対して経鼻経胃嚢胞ドレナージは安全かつ有効であり治療選択のひとつである.
索引用語