セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

424 内視鏡的仮性嚢胞ドレナージが有効であった膵性胸水を伴う腹腔および縦隔内膵仮性嚢胞の1例

演者 浅原新吾(千葉徳洲会病院内科)
共同演者
抄録 【はじめに】慢性膵炎の合併症としての縦隔内膵仮性嚢胞は稀である.膵性胸水を合併した腹腔および縦隔内乱仮性嚢胞に対して内視鏡的仮性嚢胞ドレナージを施行し、胸水および仮性嚢胞の消失を認めた1例を経験したので報告する【症例】症例は75歳男性.胸痛を主訴に蘭医を受診し多量の胸水貯留を認めたために精査目的に当院を紹介された.ウイスキー一 O.5~1本/日とアルコール多飲歴を有していたCTでは多量の右胸水を認めt腹腔から縦隔に連続する嚢胞性病変も認めた.入院呼唱胸腔ドレナージを施行した.経過中左胸水も出現しこちらもドレナージを施行した.胸水中アミラーゼ濃度は右胸水2094U/L左胸:水893U/しであったことから膵管の破綻により形成された膵仮性嚢胞が縦隔内で破綻して胸腔内に膵液が流入し膵性胸水が出現したと考えた.膵管ドレナージにより胸腔へ流入する膵液を減少させることが必要と考え膵管ドレナージを計画した.胃亜全摘BilrothH法再建胃であったため直視鏡を用いて乳頭部まで到達し膵管造影を行った.膵管は体部で狭窄しtそこから造影剤の漏出を認めた造影剤は細長い痩孔を介して腹腔内の仮性嚢胞内に貯留し一部縦隔内の仮性嚢胞も造影された.膵管を経由してガイドワイヤーを腹腔内の仮性嚢胞へ進めドレナージチューブの先端を同部位に留置した(endoscopic retrograde pancreatic pseudo-cyst drainage:ENPPD).嚢胞からの排液は一日平均96.7mlで嚢胞内のアミラーゼ値は180640U/しと高値であった.メシル酸ガベキサートはERCP後3日間のみ膵炎予防に600mgを投与したtチューブ留置後膵液の流出障害による急性膵炎は発症しなかった.ENPPD後より胸腔ドレナージからの排液量は減少し食事を開始しても胸水の増量はみられずいずれも抜去し第29病日に退院した.【結語】慢性膵炎患者に発生した腹腔および縦隔内職仮性嚢胞およびこの破綻による眠性胸水貯留に対して経乳頭的仮性嚢胞ドレナージが有効であった.
索引用語