セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

425 重粒子線および化学療法にてCRを得られた高度進行膵癌の一例

演者 小笠原定久(国保君津中央病院)
共同演者 宮村達雄(国保君津中央病院), 藤本竜也(千葉大学医学部付属病院消化器内科), 太和田暁之(国保君津中央病院), 大部誠道(国保君津中央病院), 吉田有(国保君津中央病院), 駒嘉弘(国保君津中央病院), 藤森基次(国保君津中央病院), 佐藤恒信(国保君津中央病院), 畦元亮作(国保君津中央病院), 山田滋(放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院)
抄録 症例は66歳男性.上腹部違和感を認め腹部エコーにて主膵管の拡張腹部造影CTでは膵体部に25mm大のlow density areaとその尾側膵管の拡張を認めた.膵管ブラシ細胞診にてneuroendocrine carcinomaが疑われた.当院の造影CT上手術適応ありと考えられ手術目的で他院紹介となったが同院での術前検査において再施行した造影CTで傍大動脈リンパ節腫脹を認めた.手術適応がないとの判断で放射線医学総合研究所・重粒子医科学センター病院にて重粒子線治療が行われ炭素イオン線(重粒子線)50.4GyE/12frが照射された.その後原発巣は縮小して不明瞭化したが傍大動脈リンパ節の残存に対して当院当科にてCDDP+CPT-11の化学療法を開始した.6コース施行後の腹部造影CTでは原発巣も傍大動脈リンパ節の残存巣も画像上不明瞭化した.化学療法は6コースで終了としたが終了後3ヶ月の腹部造影CTでも原発巣・残存巣とも病変の再発は認めずCRと判断した.重粒子線治療は線量集中性に優れるため局所進行膵癌に対しては充分な照射効果を得られる事がその反面転移巣のコントロールが大きな問題となっている.重粒子線によって局所制御をした上で抗癌剤治療を行うことでCRを得られた高度進行膵癌の一例を経験したので報告する.
索引用語