セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

434 当院におけるEVL治療難渋症例の比較検討

演者 藤塚宜功(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科)
共同演者 土門薫(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 宮木大輔(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 松井哲平(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 森田宏(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 吉澤香(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 澤美里(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 金山政洋(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 樋上勝也(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 竹内基(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 片桐正人(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 中野茂(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 五十嵐良典(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 住野泰清(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科), 三木一正(東邦大学医療センター大森病院消化器センター内科)
抄録 【背景と目的]EVLは簡便で合併症の少ない手技であるが一般に再発率が高く治療効果はEISに劣るとされている.どのような症例で治療に難渋するか検討した.【対象と方法】1994年から2006年12月までに初回治療としてEVLを選択した151例を対象とした.断酒達成の有無Child分類出血歴の有無治療開始時のF因子B-RTO施行歴腹水の有無肝性脳症の有無コントロール不能なHCCの有無1回目と2回目のEVL治療後のF因子RCサインL因子について変数増減法で解析し治療目標に到達するまでに5回以上のEVLを要した症例との関連性が高い有意な因子を検討した【結果】5回以上のEVLを要した難治症例は16/151例だった.ロジスティック回帰分析の結果EVLを5回以上必要とした症例との適合性の高い因子はA:2回目のEVL後のF形態がF2以上(7/16例)B:2回目のEVL後のRCサインが陽性症例(10/16例)C:断酒未達成群(5/16例)の3項目であったChid分類 出血歴の有無治療前の内視鏡所見腹水の有無肝性脳症の有無コントロール不能なHCCの有無は有意な因子ではなかった.【考察】今回の検討の結果9割弱の症例でEVLの遂行が可能であったが約1割は治療困難でありその半数では治療後のF形態の縮小が不十分なことから静脈瘤内の血流が多いと推測された.2回目のEVLが終了した時点で治療効果が不十分(RCサイン陽性またはF2以上の静脈瘤の残存)な場合は静脈瘤の消失までに更に3回以上のEVLが必要となる可能性が高くそのような症例に対してはEISへの治療方針の変更を検討する必要があると考えられた.しかし今回の検討では治療前に予測をすることは困難であった.今回の結果より大多数の食道静脈瘤はEVLで治療可能だと判断するが一部の難治例に対応するために中核病院ではEISの技術を保持するべきと考えられた.
索引用語