セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

435 食道胃静脈瘤治療におけるクリニカルパス使用前後の治療成績および効率の比較

演者 藤野靖久(岩手医科大学救急医学講座)
共同演者 井上義博(岩手医科大学救急医学講座), 小野寺誠(岩手医科大学救急医学講座), 菊池哲(岩手医科大学救急医学講座), 遠藤重厚(岩手医科大学救急医学講座), 折居正之(岩手医科大学内科学第一講座), 鈴木一幸(岩手医科大学内科学第一講座)
抄録 【目的1当科での食道胃静脈瘤治療はより短期間に治療し早期に日常生活に復帰することを目指しているこの方針はクリティカルパス(パス)の目指す質の高い効率的な医療に通じ2004年より食道胃静脈瘤予防治療のパスを導入している.パス適応例と非適応例との比較を行いその是非を検討する。【対象および方法12004年9月以降に食道胃静脈瘤に対してethanolamnine oleateによる内視鏡的硬化療法を施行した症例のうちの予防治療例13例を対象とした.無作為にパス適応群(パス群)と非適応群に振り分けて治療し治療内容や治療成績入院期間診療報酬を比較した、また当院では2003年4月より包括医療が導入されており.それ以前の2001~2002年の予防治療例(出来高群)との比較も行った.【成績】パス群7例の内訳は年齢50~70平均55.1歳基礎疾患は肝硬変7例(アルコール4HCV 2PBC 1)合併症は腹水貯留1例肝癌1例.非適応群6例は同じく48~76572歳肝硬変5例(アルコール3HCV 1NBNC 1)IPH 1例腹水貯留1例.治療回数はパス群が1~4平均2.3回非適応群が1~32.0回で両群問に統計学的有意差を認めなかった.治療合併症としては適応群で拡張処置を要する狭窄を1例に認めた.入院期間はパス群4~11平均9.0日非適応群5~157.3日とパス群で統計学的有意差は認めなかった.診療報酬はパス群29353~63846平均48262点非適応群が30103~6527842177点で包括医療による算定のためもあり入院期間と同様の傾向であった.出来高群の診療報酬は29195~83290平均45058点でパス群との間に差異を認めなかった.【結論】パス適応により効率的な医療という点では適応前との差異は認めず当科では以前から効率的な医療が行われていたと考えられた.質の面でも治療成績や合併症に差異はなかったが患者や医療スタッフの硬化療法に対する理解が深まることが期待された.
索引用語