| セッション情報 | 一般演題(口演) |
|---|---|
| タイトル | 436 MD-CTによる小腸静脈瘤出血の診断および治療ストラテジーの確立 |
| 演者 | 川中博文(九州大学消化器・総合外科) |
| 共同演者 | 小西晃造(九州大学消化器・総合外科), 吉田大輔(九州大学消化器・総合外科), 姉川剛(九州大学消化器・総合外科), 橋本直隆(九州大学消化器・総合外科), 上原英雄(九州大学消化器・総合外科), 山口将平(九州大学消化器・総合外科), 金城直(九州大学消化器・総合外科), 堤敬文(九州大学消化器・総合外科), 島袋林春(九州大学消化器・総合外科), 前原喜彦(九州大学消化器・総合外科) |
| 抄録 | 【はじめに】食道胃静脈瘤以外の異所性静脈瘤出血は稀である.さらに通常の上部・下部内視鏡では到達できない小腸静脈瘤出血に対する診断・治療は難渋することが多くその病態についての理解も不十分と思われる.そこで小腸静脈瘤出血の適切な診断と治療法について検討した【対象】07年10月までに経験した小腸静脈瘤出血10例を対象とした.【結果】(患者背景)基礎肝疾患は肝硬変7例原発性硬化性胆管炎1例不明2例であった.5例に食道胃静脈瘤治療歴があり全例開腹手術の既往があった.(部位)7例は手術創に癒着した小腸の静脈瘤でありRoux-en Y脚2例胆管空腸吻合部1例であった.(診断)全例通常の上部下部内視鏡では診断が困難であり8例でMD-CTにて小腸内に突出する静脈瘤およびその供血路・排血路まで同定することができたまた残りの2例は以前の症例でありそれぞれ血管造影出血シンチで小腸静脈瘤と診断された.(治療)経皮経肝的静脈瘤塞栓術(PTO)を選択した1例では6ヶ月目に再々出血し死亡した.出血シンチの症例は術中内視鏡で出血部位を同定し小腸切除を行い止血したMD-CTにて同定された8例全例で供血路・排血路の同定も可能であった.排血路よりアプローチ可能な7例はバルーン閉塞下逆行性別静脈的塞栓術(B-RTO)にて止血できた.排血路のパターンとしては2例で右精巣静脈T 5例で下腹壁静脈へ連続する腹壁の血管であった胆管腫腸吻合部静脈瘤の1例は排血路が肝内門脈であったためPTO+腸間膜静脈下大静脈シャント術にて止血できた.【結語】診断のポイントは静脈瘤治療歴・開腹手術歴を有する症例では小腸静脈瘤の可能性を考えることが重要であり診断はMD-CTにて容易である治療に関してはMD-CTにて静脈瘤の血行動態を把握し静脈瘤の本体である門脈大循環短絡路を閉塞することが重要である. |
| 索引用語 |