セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 438 肝性および癌性の腹水における迅速白血球検出用試験紙検査の検討 |
演者 | 丹尾幸樹(富山県立中央病院内科) |
共同演者 | 矢野正明(富山県立中央病院内科), 堀井里和(富山県立中央病院内科), 島谷明義(富山県立中央病院内科), 松田耕一郎(富山県立中央病院内科), 平松活志(富山県立中央病院内科), 松田充(富山県立中央病院内科), 荻野英朗(富山県立中央病院内科), 野田八嗣(富山県立中央病院内科) |
抄録 | 【目的】尿の感染診断用に開発された迅速白血球検出用試験紙検査(LT)は好中球エステラーゼと反応し細菌感染を簡便で迅速かつ鋭敏に反映することが知られており臨床応用されているまた最近腹水の細菌感染の診断にも有用であることが報告されている.今回我々は肝性および癌性の腹水においてLTの結果から好中球反応よりみた感染性の関与について検討した.【対象と方法】2005年10月から2007年10月までの期間に当院にて腹水穿刺を行いLTを施行した51例を対象とした.内訳は肝細胞癌(HCC)合併も含む肝硬変(LC)による肝性26例t HCC以外の癌性23例また対照として明らかな細菌性腹膜炎(BP)による腹水2例であった。採取した腹水は細胞診蛋白LDH培養などを検査しLTは2分間で判定しその反応の程度から陰性から(3+)まで(±)も含め5段階で判定した.【結果】LTの陽性率はBPによる腹水は2例とも(3+)で100%の陽性率であった肝性では(±)以上を陽性とすると陽性率は26例中4例(19%)であった.内訳はLC+HCCが9例中(2+)と(±)の2例(22%)アルコール性LCが3例中(±)の1例(33%)アルコール性以外のLCが14例中(±)の1例(7%)であった.一方癌性では23例中(2+)の卵巣癌の1例および(+)と(±)の膵癌の2例の計3例(13%)の陽性率であった培養陽性はBPの(3+)の2例のみでまた肝性でLT陽性を呈した4例では全例腹水の性状は漏出性であった【結論】今回の検討からは特発性BPの確執例は含まれていなかったが延性腹水では漏出性であっても特にLC+HCCまたアルコール性LCでは感染の関与に注意する必要があると思われたまた癌性腹水についても感染が加わった腹水も少なからず存在する可能性が示唆された発表に際してはLT陽性例の臨床経過やLT反応結果と腹水中好中球数の関連性につての基礎的検討も併せて報告する |
索引用語 |