セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
440 肝移植レシピエント手術のクリティカルパス作成とアウトカム評価
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演者 |
海道利実(京都大学肝胆膵移植外科学) |
共同演者 |
江川裕人(京都大学肝胆膵移植外科学), 上本伸二(京都大学肝胆膵移植外科学) |
抄録 |
【目的】肝移植レシピエント手術は術後経過に個人差が大きく画一化しにくいため消化器外科領域では最もクリティカルパス(以下パス)作成が困難とされてきた.そこで成人肝移植レシピエント手術におけるパス作成を試み運用しアウトカムを評価したので報告する.【方法1作成:まず2005年4月から2007年3月までの成人生体肝移植レシピエント手術症例107例を分析し実際の術後経過からパス作成を試みた.評価:パスを作成・運用後食事開始腸痩開始歩行開始ICU退室腹腔ドレーン抜去術後在院日数の6項目をアウトカムとしてバリアンスの収集・分析を行ったさらにパス運用以前の直近25症例と各項目別に比較検討した.【結果】作成:離床経口摂取開始点滴中止ドレーン抜去等種々の項目につきデータを得たがばらつきが大きいため過去の症例からのパス作成は断念し当科肝移植マニュアルに基づきパスを作成した.血液型一致(または適合)症例不適合症例ともに運用可能となるよう共通項目に血液型不適合症例の追加処置を併記したパスを作成した.運用ならびにアウトカム評価:2007年5月下旬より全症例に運用を開始し同10月末時点で20症例に運用した.パス遵守例は5例入院期間に影響しない変動例は11例入院期間に影響する逸脱例は2例脱落例は2例であった遵守例と変動例を含めたパス遵守率は80%であった.また5例が血液型不適合症例であったが3例は遵守または変動1例が逸脱1例が脱落であり我々のパスは血液型不適合症例にも運用可能であると思われた.さらにパス運用以前の直近25症例と比較したところ各項目ともパス運用後短縮しており蒔に術後在院日数h£ 60.1日から4Z5日と有意に短縮した(p=0.009).【結語1成人肝移植レシピエント手術のパスを作成し運用を開始した.高い遵守率が得られ術後在院日数等の短縮も認めた今後さらに症例蓄積を重ねバリアンスを分析しパスの改善と効率的な運用を図りたい. |
索引用語 |
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