セッション情報 |
一般演題(口演)
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タイトル |
445 クローン病小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術の短期経過
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演者 |
遠藤豊(昭和大学藤が丘病院・消化器内科) |
共同演者 |
江林明志(昭和大学藤が丘病院・消化器内科), 黒木優一朗(昭和大学藤が丘病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】外科手術はクロv一一ン病患者のQOL低下の大きな原因である.手術理由として最も多いものが狭窄であるが近年ダブルバルーン内視鏡(DBE)の開発により深部小腸狭窄に対しても内視鏡的バルーン拡張術(EBD)をおこなうことが可能となった.しかしながらEBDの長期経過は不明で適応も不明確であるEBD治療後の経過を明らかにしその適応有用性を明らかにすることを目的とする.【方法】2005年7月から当院でCRE拡張バルーンを使用したEBD施行例13症例17回の治療を対象とした.EBDの適応はDBEスコープが通過しない3cm未満の狭窄狭窄部に深い潰瘍がない高度な屈曲や痩孔を伴っていないこととし狭窄症状の有無は問わないこととした.1症例あたりのEBD施行数成功率外科手術移行症例数合併症および内視鏡経過観察時の狭窄程度を調べた.【結果】症例あたりのEBD治療回数は1-3回(平均1.4)12例がTTS法1例がTTSとOTW法併用で治療されていた.拡張径は11~15mmで拡張病変数は1~6(1.6)治療適応病変数31(2.4)で7例(54%)が適応となる狭窄がすべて拡張されていた.合併症は止血治療が必要とならない程度の出血のみであった.EBD後外科手術移行例は2例(15%)で2例ともEBD不成功病変の狭窄が原因であった. EBD不成功の原因は腸管癒着による内視鏡未到達腸管屈曲による治療困難が多かった.内視鏡で約1年後に経過観察可能であった症例は4例で外径95mmの内視鏡が2例通過2例がぎりぎり通過しなかったEBD治療後も狭窄症状が持続した症例は1例のみであった.【結論】1年の短期経過であるがEBD成功病変の再狭窄は少なく長期予後を改善する可能性がある治療と考えられた.狭窄部に深い潰瘍がないものを対象としているためt内科治療効果のよい症例が対象となっている再狭窄の程度が低いと推定されたEBD治療はクローン病患者の短期予後およびQOL改善に有効であると考えられ特に外科手術既往のない症例のEBD治療成功率は高くよい適応と考えられた. |
索引用語 |
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