セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 446 アザチオプリンによる潰瘍性大腸炎緩解維持療法における粘膜治癒の意義 |
演者 | 鼻岡理恵(広島大学分子病態制御内科学) |
共同演者 | 上野義隆(広島大学病院光学医療診療部), 田中信治(広島大学病院光学医療診療部), 鬼武敏子(広島大学分子病態制御内科学), 吉岡京子(広島大学分子病態制御内科学), 畠山剛(広島大学分子病態制御内科学), 島本大(広島大学分子病態制御内科学), 吉田成人(広島大学病院光学医療診療部), 日山亨(広島大学保健管理センター), 伊藤公訓(広島大学分子病態制御内科学), 北台靖彦(広島大学分子病態制御内科学), 吉原正治(広島大学保健管理センター), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学) |
抄録 | 【目的】アザチオプリン(AZA)は難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対する緩解維持目的に使用されているがその効果予測因子に関しては不明である.今回我々はAZAによる内視鏡的改善効果と再燃率との関連について検討した.1対象】2000年から2007年7月までに当院でUCに対し緩解導入または緩解維持目的でAZAを使用された60例のうちAZA使用期間が連続して6ヶ月以上でAZA使用前後で大腸内視鏡検査が1回以上行われた20例を対象とした.内訳は平均年齢31.9歳で全大腸炎型10例左側結腸型8例直腸炎型2例.平均罹病期間は4.0年すべてステロイド依存症例であった.【方法】AZAは全例で50mgを投与した. AZA使用中は末梢血白血球数(WBC)と平均赤血球容積(MCV)の推移を調べた臨床的再燃の定義は粘血便の出現とした.観察期間は2年間とし非再燃率についてKaplan-Meier法で解析した.内視鏡の評価部位は直腸としMatts1または2を粘膜治癒と定義した.【結果】20例のうち粘膜治癒した症例は16例(80%)認めた.粘膜治癒の有無からみた臨床背景の検討では罹病期間や併用薬剤との関連はなくAZA使用6ケ月後のWBCやMCV変化率に関しても有意差はみられなかった.しかし2年間の臨床経過の比較では粘膜治癒群は非治癒群に比べて非再燃率が有意に高かった.粘膜治癒の認められなかった4例のうち2例は大腸全摘術が施行された.【結論】AZAはUCにおいて粘膜治癒を誘導維持することが示唆されたAZAによる粘膜治癒の誘導は再燃予防や手術の回避につながると考えられた. |
索引用語 |