セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

447 当科における高齢(75歳以上)発症と思われる潰瘍性大腸炎の検討

演者 徳弘直紀(松戸市立病院消化器科)
共同演者 平井康夫(松戸市立病院消化器科), 齋藤秀一(松戸市立病院消化器科), 和泉紀彦(松戸市立病院消化器科), 畠山一樹(松戸市立病院消化器科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(以下UC)の患者数は年々増加傾向にあり最近60歳以上の比較的高齢発症も増加している.当科では2007年9月までの過去3年間に75歳以上に初発と思われるUC症例を計7例経験したしかし本当に初発であるかはあくまで本人の主訴により確認が難しいため数年以内に大腸検査を施行しており少なくともUCの所見を認めなかったものを厳密な意味での初発UCと定義したところ3例が合致した.これらを高齢発症のUCとして臨床像を中心にその傾向を検討した【症例】<症例1>77歳男性.1ヶ月以上持続する軟便(5-6行/day)時に血便にて当科受診採血結果でWBC:7800Hb:12.3g/dlCRP:0.44mg/dlCFで全結腸にビランを認め全結腸型UCの診断にてmesalazine 2250m9/day開始.その後CRPは陰性化し3ヶ月後CFでも軽快傾向にあった.しかし血便は消失したが排便回数は3-4行/day程度で続いた.〈症例2>80歳男性.左下腹部痛持続排便回数増加を主訴に受診.WBC:6000Hb:ll.8g/dlt CRP:12mg/dl腹部超音波検査にて左側結腸腸管壁肥厚を認め当初虚血性腸炎の疑いにて整腸剤抗生剤にて経過観察.便培養陰性.しかし症状続くためCF施行.下行結腸以下に禰漫性にビラン発赤を認めUCと診断しmesalazine 2250mg/day開始.その後CRPは陰性化し4ヶ月aC CFでも軽快傾向にあり腹痛(一)となったが排便回数は2-3行/day程度で軟便が続いた。<症例3>82歳女性t下痢(7-8行/day)血便を主訴に受診WBC:7200Hb:105g/dlCRP:03mg/dl未満. CFにて全結腸にビランを認めUCとしてm〔Fsalazine 1500mg/day開始.その後血便は認めなくなり排便回数は3-4行/day程度に減少した.6ヶ月後CFでは内視鏡的には軽快を認めた.【結論】高齢発症のUCでは発症後の臨床経過が比較的軽微で炎症反応などもさほど高値でない傾向にあったまた治療開始後は内視鏡的に軽快を認めても特に排便回数の軽快が悪い傾向にあるように思われこの傾向は今回経験した他4例も同様であった.
索引用語