セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

448 潰瘍性大腸炎手術症例における骨壊死合併例の検討

演者 山田恭子(横浜市立市民病院外科)
共同演者 杉田昭(横浜市立市民病院外科), 二木了(横浜市立市民病院外科), 木村英明(横浜市立市民総合医療センター炎症腸疾患センター), 小金井一隆(横浜市立市民病院外科), 鬼頭文彦(横浜市立市民病院外科)
抄録 目的1副腎皮質ステロイド剤の重症副作用の一つとして骨壊死が挙げられる.潰瘍性大腸炎の慢性持続型急性劇症型多難適例ではステロイド使用量が多く大腿骨頭壊死等の骨壊死罹患の危険度が少なくない.今回潰瘍性大腸炎手術例においてステロイド使用状況と骨壊死の発生について検討した.対象:2001年~2005年まで当院で経過観察中にMRIを施行した潰瘍性大腸炎患者30例を対象とした.30例中骨壊死の確定診断のついたものは10名であった.結果:10名の男女比7=310例中9例は大腿骨頭壊死1例は距骨壊死であった.10例中8例は関節痛が存在し確定診断はMRIにより行われた.大腿骨頭壊死9例中大腿骨頭置換術を要したものは4例であった.2例はスクリーニングMRIにより診断され臨床症状は存在しなかった潰瘍性大腸炎発症から骨壊死出現までの平均期間は7年ステロイドのtotal量は全例4500mg以上であった.結語:潰瘍性大腸炎慢性持続型ではtotalステロイド量が10000mg以上である症例も少なくない.また劇症型では短期間のうちに多量のステロイドが使用されこのような例では大腿骨頭壊死などの骨壊死の危険度が高くなる.これより慢性持続型や劇症型では症状出現の有無にかかわらずeMRIによるスクリーニングを行うことが骨壊死による生活の質の低下を防ぐと考える.
索引用語