セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | 451 術前に播種性血管内凝固症候群を合併した潰瘍性大腸炎手術例の検討 |
演者 | 高橋賢一(東北労災病院大腸肛門外科) |
共同演者 | 舟山裕士(東北労災病院大腸肛門外科), 徳村弘実(東北労災病院外科), 豊島隆(東北労災病院外科), 武者宏昭(東北労災病院外科), 松村直樹(東北労災病院外科), 佐々木宏之(東北労災病院外科), 安本明浩(東北労災病院外科), 福島浩平(東北大学胃腸外科), 小川仁(東北大学胃腸外科), 林啓一(東北大学胃腸外科), 佐々木巌(東北大学胃腸外科) |
抄録 | 【背景】潰瘍性大腸炎(UC)の活動期には血液凝固能の尤進がみられ血栓症や播種性血管内凝固症候群(DIC)が合併することが稀ではない.なかでもDrcは生命に危険の及ぶ重篤な合併症であり救命のためには的確な治療が望まれる【方法】東北大学病院および当院におけるUC手術例368例中3例で術前にDICを合併していた.この3例の臨床経過を検討しDIC合併UCの外科治療を行う上での問題点について考察した.【成績】病型はいずれも全大腸炎型で再燃緩解型であり平均罹病期間は約5年であった.DIC発症時の活動性はいずれの症例も重症でありステロイド強力静注療法施行中であったうち1例では穎粒球除去療法を併用していた.いずれの症例もDICに対しメシル酸ガベキサート血小板輸血t低分子ヘパリン投与等による治療が行われた.そのうち1例はステロイドにより大腸炎の病勢をコントロールすることができかつ速やかにDICを脱することができたためDIC発症40日後に待機的に大腸亜全摘術を施行した.他の1例は大腸炎のコントロールが困難であったためDIC発症3日後に血小板輸血を併用しつつ大腸亜全摘術を施行した.以上の2例は術後経過良好であり救命できた.残り1例はDIC発症直後に脳内出血を併発した.前述の抗DIC療法によりDICは一時改善傾向となったが大腸炎の悪化に伴い再び血小板が低下しDIC発症17日後に血小板輸血を行いつつ大腸亜全摘術を施行した.この症例は術後4凶日に再度脳出血を起こし減圧開頭血腫除去等の治療を行ったが6ヶ月後に永眠された【結論】保存的治療によりDICの改善が得られかつ大腸の炎症がコントロールできる症例では待機的手術が可能であると思われるが大腸炎のコントロールが難しい症例では炎症の増悪に伴いDICも悪化する可能性があるので早期の手術を考慮することが重要と思われた |
索引用語 |