セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

460 脳血管炎静脈性梗塞を合併した炎症性腸疾患の2例

演者 平山泰丈(東京医科大学八王子医療センター消化器内科)
共同演者 植田健治(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 片上利生(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 奴田原大輔(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 中村洋典(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 田畑美帆(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 高垣信一(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 杉木修治(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 新戸偵哲(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 白鳥泰正(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 宮岡正明(東京医科大学八王子医療センター消化器内科), 田口丈士(東京医科大学八王子医療センター神経内科), 南里和紀(東京医科大学八王子医療センター神経内科)
抄録 【症例1】26歳男性1998年より近医で潰瘍性大腸炎の診断を受け加療中であったが2006年12月下旬より増悪したため2007年1月11日より当科にて副腎皮質ステロイドによる治療を行い症状は改善していた.2月10日痙攣発作が出現し当センター救急外来受診同日緊急入院となった.頭部MRIで両側前頭葉皮質に高信号域を認め脳血管炎を疑い副腎皮質ステロイド及び免疫抑制薬にて加療を開始した.その後MRIの高信温感は消退したが皮質静脈上矢状静脈洞血栓症をきたしたため抗凝固療法を追加し症状の改善がみられた.【症例2】20歳女性.2002年非定型的炎症性腸疾患にて各種内科治療に抵抗を示したが白血球除去療法が有効で経過観察となった.2004年11月より症状の悪化に伴い副腎皮質ステロイドを再開したが12月5日より前頭部に拍動性頭痛が翌6日には全身痙攣発作が出現し意識レベルの低下(JCS I-2)をきたしたため当センター救急外来を受診同日緊急入院となった.頭部MRIで両側小脳半球及び大脳皮質に高信号域を認め静脈性梗塞脳血管炎を疑い副腎皮質ステロイド及び抗凝固薬による加療を開始した.その後の脳血管撮影で中大脳動脈領域にびまん性の狭窄所見やわずかな拡張所見が散在しており脳血管炎と診断上記の加療の継続及び抗痙攣薬の追加により症状は安定した.炎症性腸疾患の腸管外合併症として血管炎の存在が知られているが頭部領域における血管炎の報告は少ない.今回、我々は痙攣重積発作を契機に診断された脳血管炎静脈性梗塞を合併した炎症性腸疾患の2例を経験したので文献的考察を加え報告する
索引用語