セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P003 皮膚筋炎を合併した食道癌の一例 |
演者 | 小黒雅子(越谷市立病院消化器科) |
共同演者 | 佐々木淳(越谷市立病院消化器科), 中庭礼智(越谷市立病院消化器科), 川久保嘉昭(越谷市立病院消化器科), 小川幸子(越谷市立病院消化器科), 渡辺純夫(順天堂大学消化器内科) |
抄録 | 悪性腫瘍に皮膚筋炎を合併することが知られているが手術不能の進行食道癌に皮膚筋炎を合併し治療により軽快した一例を経験したので報告する症例は74歳男性平成19年1月より前胸部のつかえ感が出現し食欲不振も加わり3ヶ月で体重が5kg減少した.近医で施行した上部消化管X線検査で食道癌と診断され5月16日に当科を紹介5月17日に入院となった.既往歴に特記するものはなく嗜好は飲酒5~6合/日タバコは平成2年まで20本/日であった入院時の理学的所見では眼瞼結膜に軽度の貧血と下肢全体の著明な浮腫を認めたが眼球結膜に黄疸はなく胸腹部にも特記する所見はなかった.生化学検査でAST 7941U/1ALT 6981U/且CPK 120311U/1と異常を認めCPKアイソザイムはMM型で心電図は心室性期外収縮と非特異的ST-T変化であった.またHCV抗体は陽性であったがHCV-RNA定性は陰性であった上部消化管内視鏡検査では胸部中部食道に1型食道癌があり胸部CTMRI検査にて大動脈浸潤を認め手術不能と診断した.腹部超音波検査CT検査では特記する所見はなかった.入院時には歩行可能であったが徐々に上下肢の筋力低下が出現し入院1週間後には歩行不能となった.上下肢とも近位筋優位の筋力低下であり悪性腫瘍に合併した筋炎を疑い神経内科を受診した.Jo-1抗体価179血中アルドラーゼ215U/1と高値で針筋電図では神経原性変化は否定的であった.筋生検はIntersitial myositismild皮膚に明らかな皮疹はなかったが生検でDermatitis mildを認め食道癌に合併した皮膚筋炎と診断した.食道癌に対しリニアック照射(計50Gy)と5-FUCDDPの投与を行い皮膚筋炎に対してはプレドニゾロンの内服を行った.歩行可能となり生化学データも正常化したが食道癌の治療効果が不十分なためTS-1の投与を開始し退院となった.TS-1を投与約2カ月後のX線内視鏡検査で食道癌の著明な縮小を認め皮膚筋炎の再燃もなく外来経過観察中である. |
索引用語 |