セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P004 食道癌放射線治療後2ヶ月目に放線菌感染に伴うと考えられる大動脈食道瘻孔を起こし出血死した一例

演者 石原慎一(香川労災病院内科)
共同演者 平池華恵(香川労災病院内科), 各務慎一(香川労災病院内科), 西理子(香川労災病院内科), 吉田宏仁(香川労災病院内科), 寺西浩司(香川労災病院内科)
抄録 症例は80歳代男性.平成18年7月頃より嚥下困難感が出現し近医受診した.内視鏡生検結果より食道癌(Squamous cell carcinoma)と診断され8月下旬当院紹介となった.上部消化管内視鏡検査では門歯より25~35cmに2/3周性の隆起性病変を認めた. CT等で全身検索した結果T2NOMOStage2aと診断した.入院後本人・家族の希望により放射線計66Gy照射し10月末退院となった.退院時の上部消化管内視鏡検査では中心部に搬痕化あるも周堤部には発赤残存していた.その後定期的に外来で経過観察していたが平成19年1月初旬朝より嚥下困難感吐血ふらつき感を認め救急車にて当院搬送され入院となった.同日15時30分病室にて大量吐血後心肺停止となり蘇生行うも回復なく同日16時26分死亡確認した.剖検の結果気管分岐部の高さにて大動脈食道痩(aortoesophagea田stula:AEF)の形成が認められた.食道潰瘍部にはSquamous cell carcinomaの浸潤増殖が潰瘍底部には放線菌が認められた.また穿通部大動脈内側には炎症細胞の浸潤が認められた.剖検:結果より食道癌放射線治療後の潰瘍部に放線菌が生着し放線菌によって大動脈食道旗が形成され出血性ショックにより死亡に至ったものと考えられた.
索引用語