セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P005 食道と下咽頭に併発した顆粒細胞腫の1例 |
演者 | 宮崎正史(九州大学大学院病態機能内科学) |
共同演者 | 松本主之(九州大学大学院病態機能内科学), 城由起彦(九州大学大学院病態機能内科学), 平野敦士(九州大学大学院病態機能内科学), 梅野淳嗣(九州大学大学院病態機能内科学), 平川直也(九州大学大学院耳鼻咽喉科学), 瀬川祐一(九州大学大学院形態機能病理学), 具嶋正樹(九州大学大学院形態機能病理学), 飯田三雄(九州大学大学院病態機能内科学) |
抄録 | 症例は20歳代の女性.時折心窩部痛を認めたため近医を受診した上部消化管内視鏡検査を施行されたところ心窩部痛の原因となる病変は明らかではなかったが食道に粘膜下腫瘍と思われる隆起性病変を認めた.本人家族の希望により当院を紹介受診した.来院時の身体所見血液検査所見では明らかな異常所見を認めなかった.また既往歴家族歴とも特記すべき事項はなかった.上部消化管X線造影検査では胸部下部食道の後壁に径1cm大の頂部に陥凹を認めるなだらかな立ち上がりを有する隆起性病変を認めた上部消化管内視鏡検査では門歯より約34cmの食道後壁に槌色調の大臼歯状の形態を呈する粘膜下腫瘍を認め生検組織の病理組織検査で穎粒細胞腫と診断された.この検査の際に下咽頭の右罪状陥凹に表面槌色調の粘膜下腫瘍と思われる腫瘍を認めた食道の病変に対する超音波内視鏡検査では腫瘍は第1-2層内で低エコーを呈しており第3層には変化を認めなかった.胸部造影CTでは特に異常所見を認めなかった.本人と家族に対して十分なインフォームドコンセントを行った後治療方針について話し合ったところ食道下咽頭の両病変ともに切除することを希望した.よって食道の粘膜下腫瘍に対しては内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行したまた下咽頭の腫瘍については当院耳鼻咽喉科において全身麻酔下での直達鏡による下咽頭腫瘤切除術を行った.切除標本の病理組織学的検査では食道下咽頭の両腫瘍はともに穎粒細胞腫であった.食道の穎粒細胞腫は良性腫瘍と考えられているがごくまれに悪性である場合があり注意を要するまた他の部位との併発例は少なく下咽頭との併発例はきわめてまれである.よって若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |