セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P011 保存的に軽快した特発性食道破裂の一例 |
演者 | 浦川雅己(長野厚生連篠ノ井総合病院) |
共同演者 | 池野龍雄(長野厚生連篠ノ井総合病院), 荒居琢磨(長野厚生連篠ノ井総合病院), 名取恵子(長野厚生連篠ノ井総合病院), 宮本英雄(長野厚生連篠ノ井総合病院), 倉石昌邦(長野厚生連篠ノ井総合病院) |
抄録 | 特発性食道破裂(Boerhaave症候群)は突発的に正常の食道が破裂・穿孔を起こすごくまれな疾患である.多くの場合は重篤な状態となり緊急手術が必要となることが多い.今回我々は保存的に治癒した特発性食道破裂の一例を経験したので報告する【症例】70代女性【主訴】心窩部痛吐血【既往歴家族歴】特記すべきことなし【現病歴】平成19年7月朝食時に差し込むような心窩部痛がありその後少量の血液を嘔吐し近医を受診し当院に紹介された.【半端】体温36.2度血圧156/92mmHg脈拍64/min胸部腹部所見に異常所見なし【入院時検査所見】異常所見なし【上部内視鏡検査】門歯より25~35cmにかけて縦走する裂創が認められた.【腹部CT】食道下部から胃の上部にかけてair像を認め食道周囲に気腫を認めた.以上から特発性食道破裂(Boerhaave症候群)と診断した.全身状態落ち着いており炎症所見も認められないことから絶食補液抗生剤投与にて保存的に治療を開始した.特に発熱や痛みの増強などの症状の増悪は認められなかったことから第9病日に食道造影を行った.造影剤の漏れがないことを確認されたことから食事を開始した.食事を再開しても症状の再燃がないことを確認して第16病垂に軽快退院となった.【考察】特発性食道破裂はしばしば重篤な状態となり緊急手術が必要となることが多いが手術を行わず保存的に治療を行い改善した報告例も散見される.今回の症例は全身状態も落ち着いており炎症所見なども認められなかったことから症状の増悪傾向があれば緊急手術も考慮にいれながら保存的に治療を行った.【まとめ】保存的治療により軽快した食道破裂の一例を経験したので文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |