セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P025 粘膜下層に浸潤し多発性に生じた胃リンパ球浸潤性髄様癌の1例

演者 本田洋士(広島市立安佐市民病院)
共同演者 永田信二(広島市立安佐市民病院内視鏡科), 中山奈那(広島市立安佐市民病院), 斧山美恵子(広島市立安佐市民病院), 川瀬理恵(広島市立安佐市民病院), 木村茂(広島市立安佐市民病院), 辻恵二(広島市立安佐市民病院), 大越裕章(広島市立安佐市民病院内視鏡科), 日高徹(広島市立安佐市民病院)
抄録 【はじめに】胃リンパ球浸潤性髄様癌(gastric carcinoma with lymphoidstroma;GCLS)は粘膜下腫瘍様の立ち上がりを呈しi著明なリンパ球浸潤を伴う胃癌である.近年GCLSはその特徴的な形態や良好な予後EBウィルス関連胃癌として注目を集めている.今回多発粘膜下腫瘍様形態を示すGCLSを経験したので報告する.【症例】75歳男性.検診の上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部に腫瘍性病変を指摘され紹介となった.胃X線検査にて前庭部大閤に2つの隆起性病変を認めた.鶴甲の病変は比較的扁平で辺縁は不整圧迫にて硬化所見は認めなかった肛門側の病変は立ち上がりが急峻だが全体に平滑で圧迫にてdele様の陥凹を認めた.上部消化管内視鏡検査所見では前庭部大蛮に立ち上がり正常粘膜で覆われた2つの隆起性病変を認めた.口側隆起は25mm大の表面に不整なびらんをともなう隆起性病変であった.肛門側隆起は中心部に15mm大の不整形陥凹を伴っていた.2つの病変間には正常粘膜の介在を認めた.いずれも深達度は粘膜下層までと診断腹部CT検査にてリンパ節転移は認めず幽門側胃切除術を施行した.2病変の病理組織学的所見は異型上皮が充実性不整形胞巣をなし増殖する低分化型腺癌からなり間質には強いリンパ球浸潤リンパ濾胞形成を認めた深達度は粘膜下層深層脈管侵襲陰性リンパ節転移は認めなかった.闘病笠間には正常粘膜が介在し病理組織学的にも脈管侵襲を認めなかったので一方から他方への転移を積極的に示唆する所見に乏しく多発生に生じた癌腫と考えられた.【結語】粘膜下腫瘍様の形態を呈し深達度smの多発胃リンパ球浸潤性髄様癌の1例を報告した.
索引用語