セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P027 診断に難渋した胃小細胞癌の1例

演者 藤井慶太(横浜南共済病院外科)
共同演者 佐伯博行(横浜南共済病院外科), 渡辺卓央(横浜南共済病院外科), 青山徹(横浜南共済病院外科), 鮫島譲司(横浜南共済病院外科), 石川善啓(横浜南共済病院外科), 川本昌和(横浜南共済病院外科), 加藤直人(横浜南共済病院外科), 藤澤順(横浜南共済病院外科), 松川博史(横浜南共済病院外科), 利野靖(横浜市立大学附属病院一般外科), 益田宗孝(横浜市立大学臓器病態治療医学), 河野尚美(横浜南共済病院病理)
抄録 症例は71歳女性.平成19年3月空腹時の上腹部痛主訴に近医を受診.投薬にて改善せず5月に上部消化管内視鏡を施行した.胃前庭部に2型腫瘤を認めたが生検ではclass3で上皮性か非上皮性かの判別も不能であった.6月に当院外科を紹介受診腹部造影CT上は幽門前庭部小判側に3cm大の内部low densityな腫瘤を2個認めた.ガリウムシンチでは胃悪性リンパ腫疑いであった.当院にて再度上部消化管内視鏡下に生検を施行した.病理結果では悪性リンパ腫は否定的であり部分的にCAM5.2(+)c-kit(+)で低分化腺癌もしくは高度異型を示すGISTと思われた.腹部超音波ではCT上の腫瘤は膵頭部頭側に存在し胃との連続性はなくリンパ節転移と考えられた.胃癌かGISTか確定できなかったが診断確定目的と将来予測される通過障害解除のために手術の方針となり幽門船囲切除術を施行した術中所見ではCT上の腫瘤は#5812が一塊となったリンパ節であった.病理結果はNCAM(+)synaptphysin(+)cromograninA(focal+)CAM52(focal+)であり胃小細胞癌(pT2(MP)N2)の診断であった術後4ヶ月目で特に再発の兆候なく現在外来通院中である.胃小細胞癌は現在までに報告されているのは137例と少なく非常に稀な疾患である.平均生存期間は1年程度という報告もあり未だ確立された化学療法などもない.今回我々の経験した症例に若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語