セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P032 肝血管腫を合併し貧血にて高齢発見されたOsler-Rendu-Weber病の1例

演者 内山崇(横浜市立大学附属病院・消化器内科)
共同演者 飯田洋(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 高橋宏和(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 阿部泰伸(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 稲森正彦(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 澤邊文(町田市民病院内科), 谷田恵美子(町田市民病院内科), 細野邦広(町田市民病院内科), 馬渡弘典(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 米田正人(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 小林規俊(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 桐越博之(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 窪田賢輔(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 斉藤聡(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 上野規男(横浜市立大学附属病院・消化器内科), 中島淳(横浜市立大学附属病院・消化器内科)
抄録 【緒言】Osler-Rendu-Weber病は血管の形成異常と反復する出血を主徴とする常染色体優性遺伝性疾患である.多くは出血を契機に40歳までに発症するが肝血管腫を合併し貧血にて84歳で発見されたOsler-Rendu-We-ber病の1例を経験したので報告する.【症例】84歳女性.高血圧糖尿病貧血にて近医通院中2007年6月末より動悸息切れ下腿浮腫出現し7月Hb 6.2g/dlの貧血認め当院受診した.受診時の緊急上部消化管内視鏡検査では出血性病変なく口腔内咽頭胃に散在性のangiodysplasiaを認めた鼻内内視鏡でも同様の所見であった腹部エコーCTでは門脈拡張および多発肝血管腫を認めた.頭部胸部腹部CTでは明らかな動静脈痩を認めなかった.入院後の問診より50歳代よりしばしば鼻出血をおこし姉と子にも同様の症状があることが明らかとなった.上記よりOSIer-Rendu-Weber病と診断した.下血など消化管出血の既往はなく鼻出血による貧血に対し輸血を行い症状改善したため退院となった【考察】Osler-Rendu-Weber病は毛細血管拡張所見を皮膚粘膜に認め主に出血にて40一一60 X代に発見されるが本症例は80歳を超える高齢で発見された.動静脈奇形を合併する例もあるが本症例では門脈拡張および多発肝血管腫以外に血管病変を認めなかった.出血に対してはクリッピングや局注法焼灼術などが施行されるが根治療法はなく再発を繰り返すことが多い.貧血精査にて内視鏡検査を行う際十分な既往歴および家族歴の聴取が重要であり本疾患を考えた場合遺伝性疾患という性質上高齢であっても家族を含めた注意深い病状説明が必要となる.文献的考察を加え報告する.
索引用語