| セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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| タイトル | P033 内視鏡的胃瘻造設術後に左腸腰筋膿瘍を合併しMRSA菌血症を伴った1例 |
| 演者 | 岩倉研二(牧病院消化器内科) |
| 共同演者 | 吉田隆(牧病院消化器内科), 佐々木伸一(牧病院消化器内科), 安本真悟(やすもとクリニック), 廣岡智(牧病院外科), 佐藤睦哉(牧病院外科), 樋口和秀(大阪医科大学第二内科) |
| 抄録 | 【緒言】腸腰筋膿瘍は敗血症や臓器不全など重篤な合併症をきたすことがあり早期診断が重要されているが早期には症状が不定で診断は困難とされている.今回内視鏡的胃痩造設術後に合併した腸腰筋膿瘍を比較的早期に診断し治療し得た症例を経験したので報告する.【症例】94歳男性意識レベルが低下にて当院に救急搬送され脳梗塞の診断のもと緊急入院となった.【既往歴】58歳:うつ病84歳:脳梗塞92歳:認知症【入院時外症】意識レベルJCSIOO血圧131/81mmHg脈拍96/分・整体温37.6度血中酸素飽和度96%、瞳孔径2.Omm左右差なし隅田反射右やや鈍右半身に不全麻痺を認めた.胸部聴診異常なし腹部平坦で軟胃痩造設前の咽頭培養ではStenotrophomonas moltophilinが同定されたがMRSAは認めなかった.【経過】入院後脳梗塞に対して治療を行い意識レベルはJCS3まで改善したが高度の嚥下障害がみられ経口摂取が不可能であった.第20寧日に内視鏡語歴痩造設術を施行第23病目より38度台の発熱があり血液検査上も高度の炎症反応を認めたが感染巣は不明であった.感染巣の検索目的にて第27病日に腹部CT検査を施行左腸腰筋が著明に腫大し内部に低吸収域を認め腸腰筋膿瘍と診断したempiric therapyとして投与していた抗生剤(ロセフィン+ダラシン)では炎症反応は改善せず血液培養にてMRSAが同定されたため塩酸バンコマイシンに変更した.塩酸バンコマイシン投与後は徐々に解熱し炎症反応も改善傾向にあり第41平日の腹部CT検査上も腸腰筋膿瘍の所見もほぼ消失していたその後は一時小康状態にあったが第59病日に肺炎を発症し塩酸バンコマイシンを含め抗生剤に反応なく第67病日に永眠された.【考察】検索した限りでは本邦において胃痩造設後に腸腰筋膿瘍を合併した症例の報告はなく貴重な症例と考える. |
| 索引用語 |