セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P035 胃排出能を評価したMELASの1例:BreathID systemを用いて

演者 坂本康成(横浜市立大学消化器内科)
共同演者 稲森正彦(横浜市立大学消化器内科), 秋山智之(横浜市立大学消化器内科), 岩崎知之(横浜市立大学内分泌糖尿病内科), 池田多聞(横浜市立大学消化器内科), 後藤歩(横浜市立大学消化器内科), 馬渡弘典(横浜市立大学消化器内科), 野崎雄一(横浜市立大学消化器内科), 遠藤宏樹(横浜市立大学消化器内科), 廣川智(横浜市立大学消化器内科), 藤田浩司(横浜市立大学消化器内科), 米田正人(横浜市立大学消化器内科), 高橋宏和(横浜市立大学消化器内科), 阿部泰伸(横浜市立大学消化器内科), 小林規俊(横浜市立大学消化器内科), 桐越博之(横浜市立大学消化器内科), 窪田賢輔(横浜市立大学消化器内科), 斉藤聡(横浜市立大学消化器内科), 大川伸一(神奈川県立がんセンター肝胆膵内科), 中島淳(横浜市立大学消化器内科)
抄録 【背景】糖尿病においては自律神経障害による胃排出障害が起こることが成書に記載されている.またミトコンドリア脳筋症の一病形であるMELASにおいてもミトコンドリア障害による胃運動障害が報告されている.今回糖尿病教育目的で入院の際にインフォームド・コンセントの下BreathlD systemを用いて胃排出能を測定しえた症例を経験したため報告したい.【症例136歳男性主訴:特に症状なし家族歴:母MELAS.既往歴:腹部手術歴なし.現病歴:MELAS及び糖尿病にて通院中.血糖コントロール悪化のため教育目的で入院.現症:身長164cm体重45kgBMI l673左右難聴あり.入院後経過:スクリーニング目的で上部消化管内視鏡検査を施行したところ当日朝からの絶食では残渣多量で検査不能でありまた前日夜からの絶食でも多量の食物が残存していた.下部消化管内視鏡検査も通常の前処置では検査不能であった.消化管運動の低下特に胃排出能の低下を想定し呼気試験を実施した.試験は8時間の絶食後BreathH)systemを用いて4時間の検査を行ない試験食は200kcal/200mlの液状食(ラコール:大塚製薬)を13C酢酸100mgで標識したものを用いた.結果はTl/2:116分Tlag:65分GEC:3.80であった.同一プロトコールを用いた健常ボランティア32名のデータと比較し偏差値を算出するとT1/2:58Tlag:53GEC:60でありほぼ正常範囲と考えられた【考按】上部消化管内視鏡検査時に胃内に多量の食物残渣を認め胃排出遅延が疑われBreathlD systemによる胃排出能検査を試行したMELASの1例を経験した.MELASに関する胃排出能を中心に文献的考察を加え報告する.
索引用語