セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P037 選択的動脈刺激肝静脈サンプリング(ASVS)が切除範囲決定に有用であった多発微小内分泌細胞性腫瘍の1例

演者 和栗暢生(新潟市民病院消化器科)
共同演者 横尾健(新潟市民病院消化器科), 河久順志(新潟市民病院消化器科), 濱勇(新潟市民病院消化器科), 米山靖(新潟市民病院消化器科), 相場恒男(新潟市民病院消化器科), 古川浩一(新潟市民病院消化器科), 杉村一仁(新潟市民病院消化器科), 五十嵐健太郎(新潟市民病院消化器科), 月岡恵(新潟市民病院消化器科), 横山直行(新潟市民病院外科), 大谷哲也(新潟市民病院外科), 斉藤英樹(新潟市民病院外科), 橋立英樹(新潟市民病院病理科), 渋谷宏行(新潟市民病院病理科)
抄録 【緒言】機能性内分泌腫瘍は時に通常の画像診断が困難な微小病変も多い特にガストリノーマは微小病変が多発することもあり局在診断には選択的動脈刺激肝静脈サンプリング(ASVS)が有用とされている.今回我々は著明な高がストリン血症の精査の上でCa負荷ASVSが有用であった1例を経験したので報告する.【症例】60代目女性.検診上部消化管内視鏡にて十二指腸に活動性びらんの多発を胃体部にタコイボびらん様の小隆起を散在性に認められ後者の生検にてカルチノイドと診断されたため当科紹介受診.抗潰瘍薬の内服なしにも関わらず著明な高がストリン血症(3000pg/ml以上)が認められた。胃カルチノイドや十二指腸びらん部の生検組織ではかストリン免疫染色陰性であった.内視鏡上A型胃炎も否定的であったことからガストリノーマおよび高がストリン血症による二次性多発胃カルチノイド腫瘍が強く疑われた.しかしCTでも胃十二指腸膵肝などに多血性の腫瘍は認められなかった.膵や十二指腸に画像で指摘し得ない微小ガストリノーマがみられることもあり切除範囲決定目的に腹部血管造影ならびにASVSを施行した.セクレチンが使用できないことから刺激にはCa製剤を用いた.上腸間膜動脈脾動脈(末梢および近位部)固有肝動脈での刺激には全く反応せず肝静脈血中ガストリン値は不変であった.胃十二指腸動脈の刺激にてガストリン値は2倍以上に跳ね上がり同血管が責任血管と判断した.膵頭部あるいは胃幽門部~十二指腸がガストリノーマ存在領域と判断し十分なインフォームドコンセントのもと胃カルチノイドも含めて膵頭十二指腸切除術を行った.術後速やかに血清ガストリン値は正常化した.切除標本から得られた病理組織の検討も加えて詳細を報告する.
索引用語