セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P038 内視鏡的粘膜下層剥離術にて切除した十二指腸カルチノイドの一例

演者 渕上忠史(新日鐵八幡記念病院消化器科)
共同演者 中村滋郎(新日鐵八幡記念病院消化器科), 久保倉尚哉(新日鐵八幡記念病院消化器科), 梶原英二(新日鐵八幡記念病院消化器科), 金城満(新日鐵八幡記念病院病理部), 松本主之(九州大学大学院病態機能内科学), 飯田三雄(九州大学大学院病態機能内科学)
抄録 症例は70歳女性平成11年近医の上部消化管内視鏡検:査で十二指腸頭部に隆起性病変を指摘.以後定期的に内視鏡で経過観察されていた.平成18年8月の上部消化管内視鏡で形態・大きさの変化等は認めなかったが生検でカルチノイドが疑われ精査加療目的で当科紹介となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部前壁に頂部に星芒状の陥凹を伴う粘膜下腫瘍様隆起性病変を認め超音波内視鏡検査では病変は第2層由来で第3層を圧排する低エコー性腫瘤として描出され深達度はsm2程度と思われた.十二指腸造影検査で径1cm程度の粘膜下腫瘍様隆起として描出され側面像では弧状変形を認めた.胸腹部造影CTでは明らかな転移の所見がなく十分なインフォームド・コンセントののち10月18日内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した.術中内視鏡的に穿孔を認めず術直後の胸部X線でもfree airを認めなかったが術後深夜より腹痛を認めX線でffee airを少量認めたため絶食・プロトンポンプ阻害薬の点滴にて保存的に経過観察し術後6日目より食事開始.10日目に退院となった.病理検査では浸三度はsmのカルチノイドで垂直:断端水平断端は陰性であった.術後1年が経過するが現在のところ再発・転移の所見なく経過観察中である.内視鏡的粘膜下層剥離術で切除した十二指腸カルチノイドの報告は比較的稀であり若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語