セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P044 十二指腸潰瘍穿孔を契機に発見された肺動静脈奇形を伴った肝外門脈閉塞症の1例 |
演者 | 出口章広(香川大学医学部消化器神経内科) |
共同演者 | 米山弘人(香川大学医学部消化器神経内科), 小林三善(香川大学医学部消化器神経内科), 井上秀幸(香川大学医学部消化器神経内科), 杵川文彦(香川大学医学部消化器神経内科), 黒河内和貴(香川大学医学部消化器神経内科), 正木勉(香川大学医学部消化器神経内科) |
抄録 | 今回我々は十二指腸潰癌穿孔を契機に発見された肝外門脈閉塞症の1例を報告する.症例は65歳女性既往歴として肺動静脈奇形に対して2年前に塞栓術を施行されている平成19年6月20日頃より胸痛を自覚するようになり6月23日に少量の吐血があり腹痛も出現したために近医を受診胸腹部CTで下部食道付近に腫瘤を認め上部消化管内視鏡検査で食道静脈瘤からの出血を疑われ当科紹介された.当科来院時眼瞼結膜に貧血を認め腹部は平坦軟で右季肋部に圧痛を認めた前医でのCTでは食道下部の腫瘤影は食道八極にあるように思われたので当院で胸腹部造影CTを施行した.その結果では肝臓の形状は正常だが肝外門脈の描出がなく脾静脈もはっきりしなかったd側目部から胃小轡側にかけて側副血行路が発達しており上腸間膜静脈からもこの側副血行路に流入しており上方で奇静脈へと連なっていた.はっきりした出血点が不明のため上部消化管内視鏡検査を施行したところ十二指腸二部に露出血管を伴う潰蕩がありこの部位からの出血と考えられた.検査中に徐々に腹部が膨隆し突然強い腹痛を訴えショック状態となったt送気による馬腹と考え18Gの留置針で腹部を穿刺し脱気したところショック状態から速やかに脱し腹痛も軽減した.直後の腹部CTでは大量の腹腔内のfree airと皮下気腫を認めた.内視鏡検査の前には腹腔内にfree airはなくmicroperforationと考えられることおよび腹部の血管奇形が著明なことから外科的治療は選択せずNGチューブによる減圧と制酸剤の投与により保存的治療を行った。その後徐々に症状は改善し炎症所見も軽快したため第30病日に退院となった.成人での理外門脈閉塞症の原因として血栓症や腹部外傷などがあげられるが本症例ではそうした既往がなくまたt肺動静脈奇形をともなっている点から極めて貴重な症例と考えられ文献的考察を加えて報告する |
索引用語 |