セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P046 経過中に早期胃癌を合併した反復する十二指腸水平脚憩室出血の1例

演者 飯塚春尚(しらかわ診療所群馬消化器内視鏡医療センター)
共同演者 小野里康博(しらかわ診療所群馬消化器内視鏡医療センター), 蘇原直人(しらかわ診療所群馬消化器内視鏡医療センター), 石原弘(しらかわ診療所群馬消化器内視鏡医療センター), 柿崎暁(群馬大学大学院医学研究科病態制御内科学), 小川哲史(前橋赤十字病院消化器病センター外科), 伊藤秀明(前橋赤十字病院病理部)
抄録 【はじめに】本症例は反復する十二指腸水平脚憩室出血の症例で内視鏡的止血術行い経過観察していたがその過程で早期胃癌を発見しESDを行ったためtその後も定期的な内視鏡での経過観察を行っている十二指腸水平脚からの出血は稀であり定期的な内視鏡による経過観察を行っている貴重な症例と考え報告する.【症例】70歳代男性【主訴】下血.【既往歴】塵肺気管支喘息H17年9月前立腺癌のため睾丸摘出術【現病歴】平成17年4月12日タール便を認め近医より前橋赤十字病院消化器病センターに紹介され上部消化管内視鏡検査で十二指腸水平脚憩室出血と診断.直視鏡に先端透明フードを装着し憩室内の露出血管にクリッピングを行った4月13日退院したが同日再出血を来たし再度同部位にクリッピングの追加を行い4月29日に退院した.H18年5月30日帰忌中に黒色便が出現したため近医を受診し十二指腸水平脚憩室出血と診断されたがすでに止血しているため止血術は行われなかったその際胃前庭部にHa+Hc病変認め治療目的で当院受診した6月10日目SD前の検査で憩室内に出血なく血管痕を認めるのみであった.6月21日早期胃癌に対しESDを行った所要時間は15分病理は7x4x2mmAdenocarcinoma[tubl]mlyOvOComplete resection.その後H18年7月10月H19年4月10月と内視鏡で経過観察しているがH18年10月には憩室内の止血部位に血管を認めたため予防的に2ヶクリッピングを行った.その後現在まで再出血なく経過している.塵肺気管支瑞息があり呼吸機能が悪いことと大出血まで至らず低侵襲な内視鏡的止血術でコントロールされているために外科手術治療は行っていない.【結語】十二指腸水平脚憩室出血は再出血例があり内視鏡的止血後も厳重なフォローアップが必要と考えられた.
索引用語