セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P051 当院における低容量アスピリン内服患者の小腸病変の検討
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演者 |
柏敦文(京都府立医科大学消化器内科) |
共同演者 |
若林直樹(京都府立医科大学消化器内科), 加藤菜穂(京都府立医科大学消化器内科), 小西英幸(京都府立医科大学消化器内科), 光藤章二(京都府立医科大学消化器内科), 片岡慶正(京都府立医科大学消化器内科) |
抄録 |
【背景】近年脳血管障害や冠動脈疾患の一次二次予防目的に低容量アスピリンを用いることが一般的となり同薬剤内服中の患者の消化管症状に対する精査を行う機会も増加している.当院では2006年からカプセル内視鏡(CE)とダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いて小腸病変の精査及び治療を施行しており今回当院における低容量アスピリン内服患者の小腸病変精査の現状及びその臨床像を明らかにする【方法12006年1月から2007年10月までに当院で施行したCE32症例とDBE77症例を低容量アスピリン内服群19例f非内服群90例に分類し患者背景症状目的OGIB症例の基礎疾患内視鏡所見治療内容について比較検討した.【結果1内服群は平均年齢が高く検査目的は1例を除き全てOGIB精査であり基礎疾患は冠動脈疾患心臓弁膜症脳血管疾患肝疾患腎不全の順に多かった.また内服群は有所見率が高く病変はangiodysplasia13例びらん及び潰瘍5例十二指腸潰瘍3例その他1例だった.angiodysplasiaびらんは多発性で存在部位に偏りは認めなかった.一方非内服群では基礎疾患は膠原病悪性腫瘍が多く病変はびらんangiodysplasia潰瘍腫瘍メッケル憩室の順で多かった.治療は内服群非内服群共にangiodysplasiaにはAPC焼灼術露出血管にはクリッピングびらん及び潰瘍には粘膜保護剤投与及び可能ならば原因薬剤中止腫瘍とメッケル憩室には手術療法を選択したが再出血は1例を除き認めていない.【結謝現時点での当院におけるアスピリン内服群の小腸精査の契機は殆どOGIB精査目的であった.内服群における小腸病変はびらんや潰瘍に比べan・giodysplasiaの頻度が高かったが薬剤そのものの影響だけでなく基礎疾患の影響も大きいと推察され更なる症例の蓄積が必要と考えられた.治療に関しては特に二次予防目的の内服患者では低容量アスピリン継続の必要性が高いことも多く今後より有効な薬剤の選択やその投与方法の検討が望まれる |
索引用語 |
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