セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P052 小腸腫瘤性病変におけるDBEの診断的有用性の検討

演者 鈴木孝良(東海大学消化器内科)
共同演者 松嶋成志(東海大学消化器内科), 小池潤(東海大学消化器内科), 白倉克也(東海大学消化器内科), 後町成輔(東海大学消化器内科), 白井孝之(東海大学消化器内科), 峯徹哉(東海大学消化器内科)
抄録 【目的】ダブルバルーン法による小腸内視鏡(DBE)の開発によりこれまで不明とされてきたさまざまな小腸疾患が明らかとなっている.そこで今回は小腸腫瘤性病変におけるDBEの診断的有用性を検討したので報告する.【方法】対象は当院で2003年9月より2007年10月までに何らかの理由でDBEを施行した58例.【結果】検査目的は全症例の約75%が小腸出血の疑いでありその主訴は血便およびメレナがほとんどであった.全体としての診断率は69.0%でありその内訳は小腸潰瘍(14%)angiodysplasia(12%)が多く認められたが腫瘤性病変は13症例存在した.腫瘤性病変のうちGISTの3例はいずれも出血を契機に当院を受診しており中心部にdelleを有する硬い粘膜下腫瘍として上部小腸に位置していた.小腸癌1例は2型病変であり原因不明の消化管出血精査の結果診断可能であった.5例のリンパ腫の内訳はMALT1例び慢性大型B細胞性リンパ腫(DLBL)1例濾胞性リンパ腫(FL)2例T細胞リンパ腫1例あったFしの1例は白色小躍粒状隆起の散在を上部小腸に認め典型的なFしの所見であったがもう1例は回腸に紅葉型隆起を有する発赤廉燗とその周囲に白色小穎粒が散在しておりきわめて特異な形態を示していた.MALTは回腸に2型様腫瘍を認め生検で診断可能であった.DLBLとT細胞リンパ腫の形態は輝輝や浮腫の所見で肉眼所見だけでの診断は困難であった.また血管性病変の隆起型として動静脈奇形1例隆起型angiodysplasia2例血管腫1例も経験している.【結論1小腸隆起性病変の診断において病理組織学的検討が可能なDBEの有用性はきわめて高く腫瘤性病変の鑑別には必要不可欠な検査であると思われる.
索引用語