セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P058 転移性小腸腫瘍の2症例

演者 白川勝朗(兵庫県立がんセンター消化器科)
共同演者 山本佳宣(兵庫県立がんセンター消化器科), 池田篤紀(兵庫県立がんセンター消化器科), 津田政広(兵庫県立がんセンター消化器科), 仁木敏晴(兵庫県立がんセンター消化器科), 堀田和亜(兵庫県立がんセンター消化器科), 廣畑成也(兵庫県立がんセンター消化器科), 西崎朗(兵庫県立がんセンター消化器科)
抄録 【はじめに】転移性小腸腫瘍の頻度は比較的まれである.ダブルバルーン内視鏡を用いて術前診断しえた2症例を経験したので文献的考察を加えて提示する.【症例1160歳代女性.平成18年7月より性器出血を自覚.同年8月近医で子宮内膜癌と診断され当院紹介.同年10月準広汎子宮全摘術骨盤リンパ節気清高を施行された.病理診断はEnd・metrioid adenocarcinomaで0.2cmのmyometrial invasionを認めたがリンパ管および脈管浸潤はなかった.同年12月中頃より嘔吐が出現19年1月に入り左下腹部の圧痛を自覚しCEACA19-9の漸増傾向がみられた.CTおよびPET-CT検査にて小腸腫瘍を疑われ2月2日ダブルバルーン内視鏡検査を施行t上部空腸に粘膜下腫瘍の形態を示す病変を認め同部より得られた組織から子宮体癌の小腸転移と術前診断しえた.【症例2】80歳代男性。平成19年3月より左胸部痛があり当院紹介受診肺癌(左S3細胞診で扁平上皮癌)と診断された.5月より放射線単独療法による治療が行われ原発病変のCRが得られた.同年9月治療効果判定目的で施行されたCTで回腸に腫瘍を疑われ9月18日ダブルバルーン内視鏡検査を施行.深部回腸に全周性の腫瘍を認め内心は狭窄し粘膜面はびらんを呈していた生検組織は扁平上皮癌であり肺癌の小腸転移と術前診断された.【結語1ダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡あるいはPET-CTなど新しい診断機器の普及により従来困難であった深部小腸病変の診断精度が向上した。今回我々は術前に確定診断しえた2例の転移性小腸腫瘍を経験した.なかでも子宮体癌の小腸転移例は報告がなく加えて非常に早い病期で転移を来たしており非常に興味深い症例であると考えられた.
索引用語