セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P060 著明な出血を呈した小腸GISTの2例 |
演者 | 神崎洋光(住友別子病院内科) |
共同演者 | 平崎照士(住友別子病院内科), 藤田浩平(住友別子病院内科), 松村周治(住友別子病院内科), 松本栄二(住友別子病院内科), 湯本英一朗(住友別子病院内科), 山根弘路(住友別子病院内科), 鈴木誠祐(住友別子病院内科) |
抄録 | 今回われわれは出血・貧血を契機に発見された小腸GISTの2例を経験したので報告する.症例1:55才男性.全身脱力感が出現し近医を受診.Hb 3.2g/dlと高度の貧血を認めたため上部消化管内視鏡検査を施行したところ十二指腸に病変を指摘され精査加療目的で当院へ紹介となった.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸胃行脚に40rnm大の表面に多発潰瘍形成を伴ったSMTを認め同病変が貧血の原因と判断した潰瘍面より生検を行ったがその後タール便Hb低下を認め輸血を必要とした.生検の結果腫瘍細胞はCDI17(+)CDM(一)ct-SMA(+)Desmin(一)HHF35(一)S-1co(一)MB-1 index〈5%であり明らかな分裂像を認めなかったためGIST(low risk group)と診断したCT上転移巣を認めず外科的に局所切除術を施行した.切除標本では分裂像を多く認め36/50HPFであった.このことからhigh risk groupと診断されその後厳重に経過観察中である症例2:87才女性.意識消失を主訴に来院した.短時間で意識は回復したが腹痛を訴えたため腹部CTを施行した.右下腹部に13 x llcm大の不均一に造影される腫瘤があり腹腔内出血も認めた.腸間膜あるいは腸管由来のGISTによる出血と診断し緊急手術を施行した.腹腔内には多量のcoagulaを認めTreits靭帯より130cm肛門側に回腸腸問膜対側に付着する壁外発育型腫瘍を認めた.腫瘍の表面が裂けており出血していた.治療は回腸部分切除を施行した.腫瘍は回腸固有筋層と連続し腫瘍細胞はCD117(+)CD34(一)α一SMA(一)Desmin(一)HHF35(一)S100(一)でありGIST(low risk group)と診断された.腫瘍内出血にともなう内圧上昇で破裂し腹腔内出血を呈した可能性が考えられた.腹腔内出血で発症したGISTは比較的まれである.小腸GISTの症状・出血の機序を中心に文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |