セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P062 腸重積を合併した小腸inflammatory fibroid polypの一例

演者 松田高幸(草津総合病院消化器外科)
共同演者 平野正満(草津総合病院消化器外科), 水谷真(草津総合病院消化器外科), 高尾信行(草津総合病院消化器外科), 櫛渕統一(草津総合病院消化器外科), 水野光邦(草津総合病院消化器外科), 賀集一平(草津総合病院病理検査部)
抄録 infiammatory fibroid polyp(以下IFP)は消化管の粘膜下に発生する炎症性腫瘤で胃に発生することが多く小腸では比較的まれである.今回われわれは腸重積にて発症したinflarnmatory fibroid polypの一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は85歳女性で腹痛・くりかえす嘔吐を主訴に救急搬入された.臨床所見として腹部膨満と下腹部痛を認めたが明らかな腫瘤は触知しなかった.既往は平成14年10月左腎癌で左腎摘平成15年甲状腺癌手術を行っている腹部CT検査で小腸に嵌入像をみとめ腸重積と診断し手術を施行した.術中所見では回腸に腫瘍を先進部とした腸重積をみとめ回腸部分切除術を施行した.病理所見では腫瘤は亜有茎性の粘膜下腫瘍の形態をとり組織学的には小血管に富んだ肉芽組織様結合織と平滑筋繊維の増生炎症細胞浸潤をみとめ以上からIFPと診断した. IFPの成因については機械的刺激や外傷性要因によるなんらかの炎症性変化にともなう増殖反応であると考えられている.自験例では左腎摘による刺激が要因となりIFPの発生あるいは進展増殖に影響をおよぼした可能性がうたがわれた.IFPは腸重積を合併して発見されることが多く腸重積を呈する鑑別診断の一つとして考慮に入れておく必要があると思われた.
索引用語