セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P063 ダブルバルーン内視鏡により低侵襲な術式を選択することができた小腸血管腫の1例

演者 津久井大介(自治医科大学消化器内科学講座)
共同演者 矢野智則(自治医科大学消化器内科学講座), 岩本美智子(自治医科大学消化器内科学講座), 宮田智彦(自治医科大学消化器内科学講座), 新城雅行(自治医科大学消化器内科学講座), 福島寛美(自治医科大学消化器内科学講座), 阿治部弘成(自治医科大学消化器内科学講座), 沼尾規且(自治医科大学消化器内科学講座), 北村絢(自治医科大学消化器内科学講座), 竹澤敬人(自治医科大学消化器内科学講座), 坂本博次(自治医科大学消化器内科学講座), 本田徹郎(自治医科大学消化器内科学講座), 北出卓(自治医科大学消化器内科学講座), 仲谷朋久(自治医科大学消化器内科学講座), 茂森昌人(自治医科大学消化器内科学講座), 岩下裕一(自治医科大学消化器内科学講座), 砂田圭二郎(自治医科大学消化器内科学講座), 山本博徳(自治医科大学消化器内科学講座), 菅野健太郎(自治医科大学消化器内科学講座), 田中亨(自治医科大学病理学x講座)
抄録 【目的】小腸出血の頻度は全消化管出血のうち2~5%と少ない.なかでも出血を来す小腸原発性腫瘍のうち血管腫はまれである。今回我々はダブルバルーン内視鏡を用いて部位診断し外科切除を行った症例を経験したので報告する【方法】症例は42歳男性.2005年12月頃より黒色便を数回自覚し息切れが出現したため近医受診.Hb4.4g/dlのため入院となり上部下部内視鏡検査等消化管出血精査も異常認められず小腸出血が疑われ当科に紹介となった.【結果】経口的ダブルバルーン内視鏡検査でTraitz靭帯から30cm肛門側空腸に5cmにわたって表面に微細穎粒状の赤色班と白色班を伴う扁平隆起性病変を認めた.また超音波内視鏡検査で第1・2層に連続する均一な低エコー像の所見を呈しており消化管脈管系腫瘍(血管腫リンパ管腫)が疑われた.病変からの生検:ではe血管腫が疑われたが確定診断に至らなかった.外科的切除術(腹腔鏡補助下小腸部分切除術)を行った.切除標本では3×5cm大の黄色調周堤の中に赤い陥凹性病変を認め病理組織学的検査所見ではMixed lymphan-giomaもしくは血管腫とされたが追加免疫染色を行い小腸血管腫と診断した.【結論】ダブルバルーン内視鏡により消化管出血の原因となった小腸血管腫を特定しその部位にマーキングすることで低侵襲な術式を選択することができた.内視鏡像では血管腫の典型像を呈しておらず病理学的にもリンパ管腫Mixed lymphangiomaとの鑑別が必要であった小腸血管腫の1例を経験した.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語