セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P064 小腸に存在したmuco-submucosal elongated polyp(MSEP)の一例 |
演者 | 辛島嘉彦(福岡大学筑紫病院消化器科) |
共同演者 | 別府孝浩(福岡大学筑紫病院消化器科), 平井郁仁(福岡大学筑紫病院消化器科), 津田純郎(福岡大学筑紫病院消化器科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器科), 西俣伸亮(福岡大学筑紫病院病理部), 岩下明徳(福岡大学筑紫病院病理部) |
抄録 | 症例は33歳男性.平成19年1月12日排便時に黒色便を認め全身倦怠感めまいを主訴に近医受診血液検査にてHb 5.2mg/dlと高度貧血を指摘され上部・下部消化管内視鏡検査施行するも明らかな出血源を認めなかった.その後も便潜血検査は持続陽性であったため小腸病変評価目的に当院消化器科紹介受診入院となる.既往歴家族歴に特記事項なく入院時診察所見血液検査所見に明らかな異常所見は認めなかった.経口的ダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)ではTreiz靭帯から約20cm肛門側に正常粘膜に覆われた長細い長径約10mmの隆起性病変を認めた.病変はきわめてやわらかく容易に伸展された.同病変に対しポリペクトミー施行した病理診断はmuco-submucosal elongated polyp(MSEP)であった.その後経肛門的DBE施行.回腸末端に空腸に存在した隆起性病変と同様の所見を呈する病変を少なくとも3個認めた.そのうち一番大きな5mm大の病変に対しポリペクトミー施行.病理診断は空腸のポリープと同様でMSEPであった.MSEPは組織学的に粘膜の異型性や過形成を認めず粘膜下層は静脈リンパ管拡張を伴う浮腫状の結合組織からなる粘膜および粘膜下層を主体とするポリープで1994年真武らは大腸ポリープにおいて上記の特徴を有するものをCoionic muco-submueosal elon-gated polyp(CMSEP)と命名し新たな疾患概念として分類することを提唱した.CMSEPはS状結腸横行結腸に多くその他大腸のすべての部位で観察されるがMSEPが小腸に発生したという報告はわれわれの検索した結果では未だなく貴重な症例であり報告する. |
索引用語 |