セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P067 小腸穿孔で発症した小腸原発T細胞性リンパ腫の1例 |
演者 | 横山航也(成田赤十字病院外科) |
共同演者 | 石井隆之(成田赤十字病院外科), 大多和哲(成田赤十字病院外科), 清水善明(成田赤十字病院外科), 近藤英介(成田赤十字病院外科), 西谷慶(成田赤十字病院外科), 伊藤勝彦(成田赤十字病院外科), 清水康仁(成田赤十字病院外科), 波木一馬(成田赤十字病院外科), 岸宏久(成田赤十字病院病理), 小川清(成田赤十字病院外科) |
抄録 | 【はじめに】小腸原発悪性リンパ腫は頻度が低く特徴的な症状や所見に乏しいため術前診断が困難とされる今回穿孔性腹膜炎で発症した小腸原発T細胞性リンパ腫の1例を経験したので報告する.【症例】60歳女性貧血と下腹部痛を他院にて外来精査中のところt夜間突然の下腹部痛の増強と発熱を認め当院に搬送され緊急入院となる.【血液樋】白血5300/㎜3cRP6.5mg/dlHb.9.8g/dl【榔cT1右上腹部に腹水を空腸に限局した著明な壁肥厚を認めた【入院後経過】消化管穿孔の疑いで緊急手術を施行術中所見では腹腔内全体に膿性腹水が貯留しトライツ靱帯より約70cmの空腸とS状結腸が一塊となり空腸に1cm大の穿孔部を認めた.小腸腫瘍のS状結腸浸潤と診断しS状結腸とともに空腸を約30cm切除S状結腸に人工肛門を造設した術後経過は良好で病理診断の結果腸管症型T細胞性リンパ腫と診断され術後23日目に化学療法目的に内科転科となる.【切除標本】空腸に穿孔とS状緒腸浸潤をともなう約9cm大の全周性の潰瘍性病変を認めた、【病理組織学的所見】大型の異型リンパ球様細胞(核は類円形核小体は明瞭)の密なびまん性増殖とS状結腸粘膜への浸潤を認めた免疫染色では腫瘍細胞はCD3(+)CD4(一)CD5 (一)CD8 (+)CDIO (一)CDee (一)CDsc (+)CD79a (一)TIAl(+)Granzyme B(+)【考察】「Lewinの基準」によれば腸管原発悪性リンパ腫は「腸管外病変の有無にかかわらず病変の主体が腸管に存在するもの」とされる.小腸原発悪性腫瘍のうちで悪性リンパ腫は約30%を占めるがその中で穿孔が初発症状であるものは全体の約10%(本邦報告29例)と稀である.予後規定因子として臨床病期T/B免疫表現型穿孔の有無などの他にCD56やCD8などのマーカーの出現が報告されている.穿孔をきたした場合予後が極めて不良となるため造影や内視鏡などで穿孔前に診断することが重要と思われる. |
索引用語 |