セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P068 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)の治療中に発症した消化管穿孔の1手術例

演者 大谷裕(国立病院機構岡山医療センター外科)
共同演者 野上智弘(国立病院機構岡山医療センター外科), 市原周一(国立病院機構岡山医療センター外科), 森秀暁(国立病院機構岡山医療センター外科), 石堂展宏(国立病院機構岡山医療センター外科), 国末浩範(国立病院機構岡山医療センター外科), 太田徹哉(国立病院機構岡山医療センター外科), 臼井由行(国立病院機構岡山医療センター外科), 野村修一(国立病院機構岡山医療センター外科)
抄録 【はじめに】当院は臓器疾患別に診療科が細分化しており各疾患に対する高度な医療を提供する責を担っている.他院では不可能な難知性疾患に対する専門的な治療も数多く行っているがそれらの慢性期治療中に発症した消化器症状から外科的治療につながるケースを年間に数例経験する.今回我々は血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)の治療中に発症した消化管穿孔を経験した.【症例】81才男性.血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)にて当院血液内科で外来通院加療中であった.2007年1月下旬原因不明の熱発の原因精査目的で当院入院.入院から7日後の深夜に突然出現した腹部全体の激痛にて当科へ紹介された.腹部触診で右下腹部に最強点を有す圧痛および反跳痛を認めた.血液検査では高度の炎症反応あり腹部CT検査では上行結腸工面の脂肪織の濃度上昇肝表面の遊離ガス像を認め急性虫垂炎あるいは上行結腸憩室炎の増悪による消化管穿孔と診断して緊急手術を施行した開腹するとトライツ靭帯から約170cmの小腸が穿孔していた.触診では小腸内に扁平な隆起性病変が散在していた.穿孔部を中心として小腸を50cm部分切除し端々吻合手術を終了した.切除標本の病理組織学的検索では潰瘍底に大型リンパ球面細胞の造血を認め免疫組織学的にびまん疎大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断された術後にR-CHOP療法が行われたが小腸にある病変からの出血がコントn一ル出来ず、術後約2ヶ月で死亡した.【結語】消化管穿孔をはじめとした急変の発見が遅れると全身状態の悪化から現疾患に対する継続的かつ専門的な治療が出来なくなる可能性がある.普段より他診療科との連携をはかり急変に対して早期に対応出来るようなシステムの構築が重要であると思われた.
索引用語