セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P069 10mm大の直腸ss癌の一例

演者 福田安伸(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科)
共同演者 馬場哲(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 伊澤直樹(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 五十嵐岳(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 中澤緑(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 長瀬良彦(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 山田恭司(川崎市立多摩病院消化器一般外科), 藤田和彦(聖秀会柏光陽病院消化器内科), 鈴木通博(川崎市立多摩病院消化器肝臓内科), 伊東文生(聖マリアンナ医科大学消化器肝臓内科)
抄録 症例は59歳男性.2006年11月に健康診断で便鮮血陽性のため大腸内視鏡検査を希望し精査目的で紹介受診となった.大腸内視鏡検査では直腸(Rs)に径約10mm大の立ちあがりが比較的明瞭な弱発赤調のIs型ポリープを認めた.インジゴカルミン撒布後の拡大観察ではほとんどがIIIL型pitで占められていたがポリープ頂部は微出血のため十分なpit観察が不可能であった.肉眼上は腺腫性ポリープあるいは腺腫内癌が考えられたが生検後に拍動性の出血があり止血および治療を目的としたEMRを急遽施行した. EMR施行後の潰瘍底は白色調で腫瘍成分の残存が疑われていた.病理結果にて組織型はWell differentiated adenocarcinomapSMpHM1pVM1との診断であり追加治療として前方切除D2郭清が行われた.最終病理診断はEMR後の潰瘍液痕に一致して高分化型管状腺癌の残存を認め深達度ssであった.本症例では拡大観察が不十分であった可能性はあるが明らかなVN型pitは認められずまた通常観察において腫瘍周囲の壁肥厚像やひだ集中所見など癌の深部浸潤を示唆する内視鏡所見も認めなかった.径が10mm大と小さく内視鏡深達度診断も困難であった進行直腸癌を経験したので報告する.
索引用語