セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P073 大腸癌再発イレウス例に対するバイパス術と胃婁造設術の2例
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演者 |
木下浩一(日本バプテスト病院外科) |
共同演者 |
近藤幹(日本バプテスト病院外科), 渡邊喜一郎(日本バプテスト病院外科) |
抄録 |
【目的】大腸癌の再発による消化管閉塞はしばしば遭遇する病態である.これまで対処不能とされてきたこの病態にも全身化学療法の進歩による比較的長期予後の見込まれる症例に対してはその治療選択に苦悩することが多いがQOLを考慮した積極的な治療も必要となってきた.今回当科で経験した大腸癌再発イレウスの2症例に対して症状緩和を目的に行った腸管バイパス術と再イレウスに対する胃婁造設術についてその終末期患者の背景因子手術術式化学療法経ロ摂取QOLなどについて報告する.【症例1178歳女性.前医にて約3年半前に回盲部癌に対して結腸右半切除術を受けた約1年後に再発腫瘍によるイレウスに対して回腸結腸バイパス術を受けた.その後5-FU+1-isovorin療法にて経過していたが約11ヶ月後より再びイレウスを発症したため胃空腸バイパス術と予防的胃婁造設術を行った.術後S-1+L-OHPを受けながら経口摂取も良好であったが6ヵ月後に再度イレウスを発症した留置期間10日1日排液量500mlから1000ml飲水可能であった.【症例2】56歳女性.約2年前に癌性腹水を伴うS状結腸癌に対して5-FU+1-isovorin療法を受け腹水消失の後S状結腸切除術を受けた.その後外来にてFOLFOXFOLFrR工を受けたが約6ヶ月後より再びイレウスを発症し空腸空腸バイパス術盲腸人工肛門造設術を受けた.術後外来にて緩和ケアを行ったが4ヵ月後にイレウスを再発したためと硬膜外麻酔下に開腹胃婁造設術を施行した.留置期間31日1日排液量700mlから1500ml飲水可能で外泊も可能であった.【まとめと考察】2症例ともに最末期の状態悪化により在院中の胃婁周囲からの腸液の漏出を認め対応を要したが概ね患者の満足を得られたと思われた症状緩和を目的とした手術療法はあくまでも姑息的な手段でありその適応には慎重を要するが比較的長期予後の見込める症例に対して胃婁造設術はある程度有効であると考えられた |
索引用語 |
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