セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P074 我々が経験した大腸腺扁平上皮癌の一例 |
演者 | 松井芳夫(国立病院機構霞ヶ浦医療センター外科) |
共同演者 | 矢野和仁(国立病院機構霞ヶ浦医療センター外科), 田村洋一郎(国立病院機構霞ヶ浦医療センター外科), 影山隆久(国立病院機構霞ヶ浦医療センター外科), 菅野雅人(筑波大学病理学), 野口雅之(筑波大学病理学) |
抄録 | 大腸癌はその多くが高~中分化型腺癌であり腺扁平上皮癌の発生頻度はとくに低い本邦の報告では全大腸癌の0.1%である.また発見時に進行した症例が多く通常の腺癌に比べ予後は不良とされている.今回我々は下血を主訴とした上行結腸腺扁平上皮癌を経験したので報告する.症例は54歳男性現病歴は平成18年10月の健診で便潜血反応陽性であった.12月に下血貧血症状も出現したため当院を受診した.血液検査で軽度の貧血(Hb l1.Og/dl)を認め注腸検査では上行結腸に不整な狭窄像を認めた.下部消化管内視鏡検査をおこない同部位にほぼ全周性の3型の腫瘍性病変を認めた.生検の病理診断は中分化~低分化腺癌であった.治療目的で平成19年1月4日入院した.術前画像診断では上行結腸に著明な壁の肥厚像及び結腸周囲のリンパ節の腫大を認めたしかし肝臓や肺などへの明らかな遠隔転移は認めず術前診断をStage3a(T3N1HOPOMO)とした.1月9日結腸右半切除術D3廓清を行った.術中結腸周囲リンパ節の著明な腫大を認めたが明らかな遠隔転移や腹膜播種などは認めなかった.切除標本はバウヒン弁の直上に亜全周性6x4cm大の2型腫瘍を認めた割面は灰白色の髄様性を呈した.原発巣の病理学的所見は腫瘍の大部分に高度の核型不整を伴う腫瘍細胞が著明な角化傾向を示しながら増殖する高分化型扁平上皮癌の組織と一部に中~低分化腺癌組織とが見られたことから腺扁平上皮癌と診断された.2群リンパ節にも転移を認めたことから病理組織学的診断は上行結腸腺扁平上皮癌ssIy(+)v(一)n2でstage3bとなった.術後経過は良好であった.大腸腺扁平上皮癌に対する確立された化学療法はないため術後補助化学療法は大腸癌の標準化学療法である5-FU(500mg/m2)LV(250mガm2)を選択し1月29日より開始した.術後約9ヶ月経過した現在.再発の兆候は見られず外来で経過観察中である. |
索引用語 |