セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P076 S状結腸癌を先進部に肛門から脱出した成人腸重積の1例

演者 杉田博二(八尾徳洲会総合病院消化器内科)
共同演者 山崎雅人(八尾徳洲会総合病院消化器内科), 長谷川義展(八尾徳洲会総合病院消化器内科), 浅野耕吉(八尾徳洲会総合病院消化器内科)
抄録 症例は78歳女性.平成18年12月肛門から腸管と腫瘍の脱出認め近医受診し紹介来院した.既往歴に高血圧高脂血症大腿骨右上腕骨骨折がある.便秘症で下剤服用中であり2日か3日に1回程度の排便である.来院時血液生化学所見はWBC8200CRP<03RBC392万HGB12.7HT3&4α一FP10.0CEA3.8CA19-9 1.7だった.腹部超音波検査では腸管全体にGas像と直腸肛門付近に全周性の浮腫を認めた.腹部CTスキャンで肛門に腫瘤影と直腸脱を認め直腸壁は肥厚し造影すると浮腫状で造影されなかった.腫瘤影は一部は早期に濃染されhypervascularと考えられた.肝転移リンパ節転移は認めなかった.胸部CTスキャン心臓超音波検査に異常を認めなかった.肛門部より脱出した腫瘤の生検でpapillo-tubular patternを有する中分化型腺癌と診断した.S状結腸癌を先進部に肛門から脱出した成人腸重積と診断し開腹S状結腸切除術を施行した.術後病理組織検査でS状結腸癌は5×7cm大の進行癌で筋層をこえてssβ浸潤をしめしていた.脈管浸潤は明らかなものはなくow-aw-n一であった.癌巣の近傍に20mm大(papillo-tubular adenomasevere atypia)4mm大(papi皿o-tubu-lar adenomamoderate atypia)の腺腫を伴っていた。成人のS状結腸の腸重積は稀で肛門から脱出を認めるものはさらに稀である.
索引用語