セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P078 15歳のHNPCC症例 |
演者 | 中山剛一(久留米大学外科学講座) |
共同演者 | 赤木由人(久留米大学外科学講座), 白水和雄(久留米大学外科学講座), 緒方裕(久留米大学外科学講座), 青柳成明(久留米大学外科学講座), 鶴田修(久留米大学消化器内科学講座), 菊池陽介(きくちクリニック) |
抄録 | Non-polyposis colorecta1 cancer(HNPCC)は家系内に様々な腫瘍を発生する常染色体優性の遺伝性疾患である.最近家系内に大腸癌にり患した近親者がいる15歳の横行結腸癌症例を経験したので報告する.症例は15歳の女性.血便を主訴に近医を受診し横行結腸癌と診断され紹介となった.家族歴で父親は44歳時に上行結腸癌48歳時に膵癌が発見されそれぞれ手術が施行されたが死亡.2人の叔母にそれぞれ大腸癌子宮癌り患者がいる.癌は横行結腸ほぼ中央に存在する進行癌と診断し遠隔転移他の大腸には所見がなかったことより腹部小切開法による右半結腸切除術(3群リンパ節郭清)を施行した.術前に胃術中に小腸を検索したが特記すべき所見はなかった.術後経過は順調であり10日目に退院となった.現在術後3カ月経過したが特別問題なく生活を送っている。本症例はアムステルダムII診断基準を満たしており遺伝的背景を検索することが推奨されている.しかし本症例はまだ中学生でしかも高校受験生ということもあり癌の告知子宮内膜の検査手術術式の選択補助化学療法の是非フォローアップ遺伝カウンセリングの提供同胞の検査といったいくつかの間題が残されている.このようなケースは極めて稀であり本人とのかかわりも容易ではない.近年大腸癌の増加で便潜血等の検診も行われているが癌の家族歴も加味した2次検査の必要性が考えられる.今後遺伝子に関連した腫瘍の研究の推進カウンセラーとの連携が重要になってくると考えられその指針を考慮していかねばならない |
索引用語 |