セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P079 FOLFOX療法が奏功し切除可能となった横行結腸癌肝転移の1例 |
演者 | 中谷晃典((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科) |
共同演者 | 永易希一((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 丸笹崇((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 辻昌孝((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 北島政幸((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 渡部智雄((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 落合匠((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 西村和彦((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科), 二川俊二((財)東京都保健医療公社東部地域病院外科) |
抄録 | 今回我々は肝転移を伴った横行結腸癌に対し結腸窪窪切除術後FOLFOX療法を施行し著明な肝転移巣の縮小が得られ切除し得た症例を経験したので報告する.症例は65歳女性.近医にて貧血および右上腹部腫瘤を指摘され当院受診.腹部CT所見では右上腹部に約4cm大の腫瘍を認め一部腹壁への浸潤を疑う肥厚性所見もみられた.また肝S2に約5cmS4-8に約2cm大の腫瘤を認めた.さらに腹水貯留もあり癌性腹膜炎の状態が疑われた.注腸検査および大腸内視鏡検査にて横行結腸に全周性の狭窄を伴う3ワtypeの腫瘍を認め横行結腸癌による肝転移と診断した.癌性腹膜炎も疑われたがイレウス準備状態を呈していたためバイパス術も考慮に入れた開腹手術を行った.術中所見では明らかな腹膜転移はみられなかった.腫瘍と十二指腸下行部との強固な癒着を認めたものの癌の直接浸潤もなく切除可能であったため、結腸右半切除術施行した.病理組織診断は中~低分化型腺癌type3ssly2v2n2+H+stageIVであった術後IVHポートを留置しFOLFOX療法を開始した(L-OHP 100mgアイソボリン200mg5一一FU 2000mg 48時間持続静注FOLFOX4).計8クール施行後の腹部CT検査にて肝転移巣の著明な縮小を認めた.また肝内に新病変の出現や腹水貯留も認められなかったため切除可能と判断し初回手術から5ヵ月後に肝左葉切除術を施行した.病理組織診断では切除断端は陰性で肝門部リンパ節にも癌の転移は認められなかった.現在再発徴候もなく外来通院中である大腸癌に対する化学療法はFOLFOX療法の出現により急速に進歩しているFOLFOX療法は肝に対する奏功率が高く初回手術で切除不可能であった転移性肝癌に対してもFOLFOX療法を施行後reductionが得られ切除可能になった例も報告されており積極的にFOLFOX療法を施行すべきと考えられた. |
索引用語 |