セッション情報 |
一般演題(ポスター)
|
タイトル |
P090 アンギオテンシンII受容体拮抗薬の抗ウイルス療法非適応C型慢性肝炎・肝硬変に対する臨床効果の検討
|
演者 |
松田康伸(新潟大学医学部保健学科・基礎生体情報学) |
共同演者 |
佐藤宗弘(新潟大学医学部消化器内科), 土屋淳紀(新潟大学医学部消化器内科), 高村昌昭(新潟大学医学部消化器内科), 山際訓(新潟大学医学部消化器内科), 大越章吾(新潟大学医学部消化器内科), 野本実(新潟大学医学部消化器内科), 青柳豊(新潟大学医学部消化器内科) |
抄録 |
【目的】近年アンギオテンシンH受容体拮抗薬(ARB)は心血管系や臓器の保護作用のみならず肝線維化抑制作用も有することが明らかにされているしかしながらC型慢性肝疾患に対する長期投与の報告は少なく奏功率も諸報告間で一定していない.そこでARBを少量長期投与してprospectiveに追跡し得たC型肝疾患例を解析し治療効果に影響する臨床因子も検討した.【方法1解析対象は合併症などで抗ウイルス療法非適応とされたC型肝疾患13例(慢性肝炎6・肝硬変7)でありうち6例は1年以上前からウルソデオキシコール酸(UDCA 600mg/day)を投与されていた.全例にARB(candesartan 4mg/day)を1年以上投与して経時的観察し投与6ヵ月後に重症度層別分類に基づく肝機能改善あるいは線維マーカー(ピアルロン酸P-m-PIV型コラーゲン)の統計学町有江差を認めた例を「有効」群著変ない例を「無効」群に区別した.判定期間内には肝機能に影響する可能性のある薬剤変更を行わなかった【成績】ARB投与による明らかな副作用は認められなかったARB「有効」群は8例「無効」群は5例であった.有効群の7例(88%)が肝機能改善を認めており治療効果出現3ヶ月以内が3例3-6ヶ月が4例であった線維マーカーは2例が3ヶ月以内に改善し他の2例は1年後だった有効vs無効群のARB投与前検査値に明らかな有意差はなかったが有効例6例(75%)はUDCAを前投与されていた一方で無効群全例は前投与されていなかった(P<O.05).注目すべきことにARB無異例にUDCAを追加投与しても肝機能・線維マーカーは改善しなかった.【結論1(1)ARBは肝機能値の後に線維マーカーを改善する傾向があり線維化抑制作用だけでなく肝庇護作用を有する可能性がある.(2)C型慢性肝疾患においてはUDCA前投与がARB治療効果を促進する臨床因子であることが推測された. |
索引用語 |
|