セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P108 肝移植後のHCV再燃に対して抗ウイルス療法施行後に早期慢性拒絶反応と診断された1例
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演者 |
北嘉昭(東京慈恵会医科大学外科学講座) |
共同演者 |
山下竜也(金沢大学消化器内科学講座), 羽賀博典(京都大学病理診断部), 松本光司(中央メディカル病理研究所), 矢永勝彦(東京慈恵会医科大学外科学講座) |
抄録 |
【背景】肝移植後のHCV再燃例の臨床所見や病理組織像は多彩であり正確な鑑別診断と適切な治療が必要である.【症例】56歳女性.C型肝硬変(genotypelbhigh titer).自己判断により海外で死体肝移植を受け移植後26病日(AIT:37TB:1.5)に帰国した.48船価に肝機能が悪化し(ALT:653TB:3.0)入院となった.入院後計5回(48587079102肝所)の肝生検を行った肝生検1の後シクロスポリンのトラフ値が畑田であったことなどから急性拒絶反応を疑いステロイドパルス療法を3日間行ったが肝機能は改善しなかった.そこでHCV-RNAの上昇(52病日2000KIU/ml)などからHCV再燃を疑い55白日からPEG-IFN(+ribavirin)療法を行った.抗ウイルス療法によりHCV-RNA(66病日16KIU/mDやALT(70病日ALT;109TB l12.9)は著明に改善したが高ビリルビン血症は遷延した(79病日ALT:201TB:18.2).汎血球減少症のため抗ウイルス療法は80病日で休止した.虚血性の胆管病変を除外診断するためERCPを施行したが胆管に異常は認められなかった。肝生検12では10bu亘ar hepatitisが認められC型肝炎再燃と診断されたが肝生検34では小葉内炎症は消退したものの肝細胞のballooningと胆汁うっ滞が進行し胆管の萎縮も認められた.肝生検5では胆管の萎縮がさらに増悪し早期慢性拒絶反応が疑われた.112-135病日にはIFNを再投与したが肝機能はむしろ増悪したため経過観察したところ肝機能は緩やかに改善し186病日(ALT:141TB:7.9)に退院となった.【結論】肝移植後のHCV再燃を診断するには急性拒絶反応との鑑別が重要であり肝生検の組織所見のみならず肝機能悪化の時期HCV-RNA抗ウイルス療法の効果などで総合的に診断する必要がある.また早期慢性拒絶反応も念頭に入れるべきである. |
索引用語 |
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