セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P113 C型慢性肝炎に対するIFN療法の著効12年後に発見された胆管細胞癌の一例

演者 菅谷武史(獨協医科大学消化器内科)
共同演者 室久俊光(獨協医科大学消化器内科), 國吉徹(獨協医科大学消化器内科), 玉野正也(獨協医科大学消化器内科), 飯島誠(獨協医科大学消化器内科), 菅谷仁(獨協医科大学消化器内科), 平石秀幸(獨協医科大学消化器内科), 六角丘(獨協医科大学第二外科), 澤田登起彦(獨協医科大学第二外科), 窪田敬一(獨協医科大学第二外科)
抄録 【はじめに】C型慢性肝炎が肝細胞癌(HCC)発生の危険因子であることは周知の事実であるが胆管細胞癌(CCC)もC型慢性肝炎から高率に発症することが指摘されている.今回我々はIFN治療によりHCV-RNA陰性12年後に発見された胆管細胞癌の一例を経験したので報告する.【症例】症例は69歳男性。平成6年にC型慢性肝炎と診断IFNαの投与を受けトランスアミナーゼ正常化HCV-RNA陰性化を認め著効と判断された、以降半年ごとに超音波検査を施行し経過観察されていたが平成19年4月に施行した超音波検査にて肝S4に20mmのhaloを有するモザイクパターンの腫瘤を認め精査目的に入院となる.画像上腫瘍は周囲のみ強く造影され内部はわずかな血流を認めるのみで胆管細胞癌に矛盾しない所見であった.また胆管の拡張や門脈腫瘍塞栓は認められなかった.腫瘍マーカーはAFPPIVKA2CEACAI9-9いずれも正常範囲であった2007年8月8日当院第二外科において肝部分切除を施行組織学的には胆管細胞癌(中分化型腺癌)の所見であった.【考察】C型慢性肝炎はHCCの危険因子でありIFN治療によりSVRとなれば発癌は減少する. SVR後に発生したHCCの報告は散見されるがCCCの報告は本邦で2例のみであった.またCCCにおけるHCVAb陽性率は第17回肝癌研究会の報告では19.1%であった、またC型慢性肝炎からのCCC発癌のリスクは陰性者の1000倍と報告されてる(Cancer 88二2471-24772000).【結語】IFN著効例であっても長期にわたる経過観察が必要であり且CCだけでなくCCCの発生も考慮する必要がある.
索引用語