セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P115 化学療法中に急性肝不全と汎血球減少をきたしたB型肝炎の1例

演者 会澤信弘(大阪市立総合医療センター消化器内科)
共同演者 木岡清英(大阪市立総合医療センター消化器内科), 田中敏宏(大阪市立総合医療センター消化器内科), 小谷晃平(大阪市立総合医療センター消化器内科), 松井佐織(大阪市立総合医療センター消化器内科), 中井隆志(大阪市立総合医療センター消化器内科), 佐野弘治(大阪市立総合医療センター消化器内科), 上田渉(大阪市立総合医療センター消化器内科), 青木哲哉(大阪市立総合医療センター消化器内科), 川崎靖子(大阪市立総合医療センター消化器内科), 岡博子(大阪市立総合医療センター消化器内科), 大川清孝(大阪市立総合医療センター消化器内科), 西口修平(大阪市立総合医療センター消化器内科)
抄録 【はじめに】肝炎後再生不良性貧血はウィルス性肝炎に続いて発症し全ウィルス性肝炎O1・一1%に続発する比較的稀な疾患で重症化することが多いとされている今回化学療法中に急性肝不全汎血球減少を来し保存的治療で改善を認めたB型慢性肝炎の1例を経験したので報告する.【症例】49歳女性.B型慢性肝炎にて近医followされていた.(近年肝機能は正常で経過観察のみであった.)平成19年1月乳癌にて手術放射線治療を行い化学療法(DXR+CPA)を3月14日目り開始された.5月1日に3クール目の化学療法を行い同日より倦怠感嘔気を認めた.症状持続し5月22日にAST 4671U/1ALT 4451U/1T-Bil 2.7mg/d1と肝機能異常を認めたため当科紹介され入院となった.PT 30%以下であり血漿交換En・tecavirIFN一β投与ステロイドパルス療法を開始した. ASTALTは低下を示したが全身状態は変わらずPT 30~40%T-Bi1は上昇傾向でcT上著明な肝萎縮を認め肝アシアロシンチでL肌15:0.542と下値を示した.内科的治療で改善は困難と考え肝移植目的で6月19日に移植施設に転院となった.しかし汎血球減少傾向あり骨髄は低形成であったため移植は延期となり肝不全汎血球減少に対して輸血を中心とした保存的治療が行われたその後肝機能は改善を示し8月8日に再度当院に転院になった.転院時血小板のみが減少傾向持続しており輸血を必要とした.しかし次第に血小板は低値ながらも低下を認めなくなり現在も経過観察中である。【結語1肝不全汎血球減少の原因としてB型慢性肝炎の増悪抗癌剤による肝障害が強く影響したと考えられた.いずれも重症であったが保存的に改善を認めており病態経過共に興味深い症例であった.
索引用語